昔のオーディオ機器/ラジオは誇り高かった!
誇り高かったオーディオ機器たち
今は音楽を聴くにしても一時期大流行したミニコンポはあまり使われていないのでは?と思います。
家にあっても若い方はスマホで音楽を聴くのが一番多いのではと。
でもスマホよりはミニコン、ミニコンよりは大型のスピーカのオーディオの方が音が良いに決まっています。
今の若い人たちの殆どは大型スピーカと高音質のアンプの音を聞いたことが無いと思います。
さて昔のオーディオ機器(昔はステレオという言い方が普通だった)やラジオはとても誇り高かったというお話しです。
時代的には1960~1970年代後半くらいまでになると思います。
知る限りを列挙してみます。
●パネル面のセンター付近に大型のボリュームのつまみが鎮座しており、他のつまみの直径の2~3倍の大きさはあった。
●真空管時代(←私が関わる前の世代ですが)のステレオは今で言う「家具調」のものが多く、スピーカグリルなども非常に凝っていた。
●トランジスタ全盛期に入ってからは大型の電源トランスとケミコン、そして大型の終段増幅用放熱器を誇示した設計、カタログとなっていた。
特に山水のアンプは物凄い物量設計だった。贅の限りを尽くすという感じで営利主義のメーカがやることか!とさえ感じた。
今のようにD級増幅(つまりデジタルアンプ)ではないので重量に対しての出力は極めて小さいが、敢えて物量の凄さ=音の良さをアピールしていた。
(実際に強力な電源のアンプは音が非常に良いです。これは原理的なものなので将来も普遍なんです)
●やたらとスイッチや音質の調整器が多い。
入力機器切替(AUXが3つあったり!)、テープレコーダ切替(2台のダビングも可能)、モードスイッチも必要性が判らないStereo Reverse、複数のスピーカ切替、トーンコントロールもMid Rangeが付いたりターンオーバー切替スイッチまで付いていた。
(当時特に凝っていたと思ったのは、山水・パイオニア・テクニクス・オンキョーあたりかな?)
●ラジオも手のひらサイズの物でなければ、トーンコントロール、ラウドネスは当たり前! ラジカセだとマイクミキシングがついていた。
(ラジカセ全盛は1971~1975年付近)
以上のようにデジタル全盛の今の機器では考えられないです。
(上記の説明ですべてわかる人は凄い知識か、または当時オーディオマニアだったかのいずれかです)
ステレオもラジオも誇り高きこのバッジがついていた!
そしてステレオとラジオの共通点で【誇り高き称号】なるものをつけるのが流行っていました。
それはパネルについていたバッジなのですが、以下のようなものでした。
・Hi-Fi : 高忠実度再生の音のこと。
・Solid State: トランジスタで構成された機器。真空管からの移行期に特に流行った。
・All Transistor: Solid Stateをより判りやすくしてトランジスタ使っている事を誇示。
・IC : IC(集積回路)を使っている機器。先進性を訴えるのに効果があったのだろう。
・IC+FET: ICとFET(電界効果型トランジスタ)を使っている機器。
これは主にラジオやチューナーなどによく使われた。FETは高周波特性が良く、「このラジオは感度が良いですよ」をアピールできた。
そしてIC、またはIC+FETの機器には文字の横に以下のようなICを模したマークが添えられている製品が多かったです。
↑大体こんな感じ。正確ではないと思いますが雰囲気だけ。
少年時代の私はこのマークを見て「かっこよい!未来を感じる」と思ったものです。
今でもレトロなラジオなどはネットで入手出来ますので、これらのマークの入ったものを買ってみようかな?なんて思うこともあります。
今のデジタル機器はスマホに代表されるように手のひらサイズで何でもかんでも出来て、その機能は驚愕以外の言葉が見つかりませんが、でも「軽くなったなぁ」とつくづく思います。重量のことではありませんよ。誇りや重厚感がなくなったという意味です。まあ仕方ないですけどね。
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