あさがおの観察
小学校に入るとまず「あさがお」!
小学校入学の1年時に一番の思い出というのはどんなことでしょうか?
ほんの数年前の人、10年ちょっと前の人ならば色々と覚えているかもしれませんが、わたしのような「いい年したおっさん」になるとこの時代の記憶も限定されてきます。
入学式当日の事も覚えていますが何より一番の思い出は「あさがおの観察」でした。
幼稚園・保育園時代は先生と苗や種を植えたという経験はあっても、「種から自分で責任を持って育てる」ということをした人は殆どいないと思います。
つまり小学生になるという成長過程で「自分で責任を持つ」、「命を感じる」を学ぶという事なのだと思います。
小学校に入学して初めての夏休み直前になると「あさがお」の種と栽培キット(?)を配布されましたよね。
小さなプランターとつるが巻き付く棒が付いたセットです。全て軽量のプラスチックで出来ていました。
私が小学校入学というのは半世紀近く前になってしまいましたが、私の子供たちも皆小学校一年生の時にやはり「あさがおの観察」がありました。
これはずーっと変わっていないんですね。未来永劫のイベントでしょうか?
ちなみに私の小学校は東京都、子供の小学校は北海道ですが全く同じです。西日本や沖縄の方も同じなんでしょうか?
大変だったけれどとても楽しかった「あさがお」との一夏
最初に種と栽培キットを渡された時、とてもドキドキして「早く咲かせたい!」と思ったことを覚えています。
小さな種から芽が出て花が咲くというのは分かってはいましたが、自分の家でそれが出来るなんて嬉しくて仕方なかったんです。
栽培の事について先生から色々と説明があり、その中で特に覚えているのが種を発芽しやすくするための工夫というのがありました。
最近でも同じことをやっているのか分からないのですが、種の表面をほんの少しだけ紙やすりで削って皮を薄くしてあげると発芽しやすくなる、ということでした。
もちろん削り過ぎると発芽しなくなりますのでさじ加減が必要です。
小学一年生にそんな微妙なことを求めても難しいでしょうが、目の細かい紙やすりでそーっと気を付けながら種を削った覚えがあります。
帰宅後、土を入れて種を植えます。種を植えるところは土に指で穴をあけて1個づつ丁寧に入れるのです。
つるが巻き付く棒は先生から「つるが出てくるまでは、かさばって邪魔になるので最初からセットしなくてもよい」と言われたと思います。
ドキドキしながら水をやり陽にあてて観察日記を書きました。
最初の観察日記は、「〇月□日、まだなにも出てきません」が続いていたと思います。
でもある日とても小さな緑の物体が土の中から顔をのぞかせていました。
ついに命が芽生えたのです。これは感動しましたね。スイカの種みたいなものから緑の命が生まれるのですから。
そして毎日少しづつどんどん大きくなっていきます。
何日後かは覚えていませんが、小さなつるが出てきました。
もちろん巻き付く棒をセットしてあげました。毎日少しづつ伸びていき棒に巻き付いていきます。
当時も今も不思議でならないのですが、無理につるを棒に誘導してあげなくても勝手に探して巻き付くんですね。
けなげというか愛おしさを感じました。そしてつるの成長とともにつぼみが出て来て花が咲きます。
本当に感動の連続でした。下手な絵を添えて日記を書いていました。
でもある程度花が咲くと日記を書くのが嫌になってしまうんです。花が咲くということで何故か妙な達成感が自分に生まれるんですね。
しかし自分が育てた命なので水やりなども親に頼らず頑張りました。
友人などは「まだ芽がでません。」、「やっと芽が出ました。」、「花が咲きました。」、「今日も咲いています。」、「花が枯れました。」の5つのフレーズだけで夏休みを乗り切った子もいました。
私が小学校入学時から長い年月が経っても自分の子供や近所の子供たちを見て、私と同じことをやっていると思うと嬉しくもありほほえましくもあります。
でも・・・、夏休みが開けてつるの巻き付く棒が付いた状態で学校に持って行ったりするのは本当に大変なことでした。
重くはないんですが大きいしかさばるんです。小学一年生にはかなりきついと思います。大人だって運ぶのは結構大変です。
この点を考慮して頂きたいな、と今でも思ってしまいます。それだけ強烈な思い出だったんですね。
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