マディソンバッグ
猫も杓子もマディソンバッグ!
1968年~1978年頃に大流行した「マディソンバッグ」というカバンがありました。
↓こんなものですね。
画像引用元: ミドルエッジ 様
https://middle-edge.jp/
これ↑は黒ですが、他には紺、茶色、白がありました。
日本のエース株式会社が企画・製造・販売したものです。
同社はその後アメリカのゼロハリバートン社の買収なども行い、現在では軽くて丈夫という高い評判のスーツケースを販売することで大変に有名な会社です。
(アメリカのマディソンガーデンが企画したものではありません。)
このカバンはメインのチャック以外は特別にチェック付きの小物入れなどは無く、機能的には決して使いやすいカバンではありませんでした。
確か(うろ覚えの記憶では)内部にチャックは付いていないけれどちょっとした小物入れと、外側の表面に薄いものが入るポケットがあった気がします。
しかし持ちやすさ、持ち運びやすいという点では群を抜いていました。
とっても軽かったですしね。
このカバンは時代を席巻するほどの大ヒットで、使っていた人の殆どは中高生が通学用として使ったのです。
そういう私もマディソンバッグで高校に通っていました。
一番多く見かけた色は紺色だったと思いますが、私はあえて白を買ったのです。
白はかなり目立ちましたね。
でも表面はビニールのような素材なので思ったほど汚れは目立たず快適に使えました。
いずれの色も表面の、
MADISON SQUARE GARDEN
SPORTSMAN CLUB
boxing wrestling football
の文字が誇らしげに思えました。
でも世の中のみんながこのバッグを持っているので自慢にもならないし、注目もされないんですね・・・。
マディソンバッグの使いこなし
上述のようにマディソンバッグは極めてシンプルなバッグで持ちやすさ以外は実用性に欠けるバッグです。
でも当時の中高生はこれを手に持って、ハンドバッグのように腕にかけて(特に女の子→重さがぐっと来るが)通学に使い、休日は町を闊歩したのです。
もちろん女の子も持っている人が非常に多かったです。
ただ一部の私立中高、もしくは公立でも規則が厳しい・うるさい学校では「学校指定以外の通学カバンは認めず」という所ももちろんあるわけで、そういう学校に通っていた連中からはかなり不満な声を聞きました。
でも通学に使わないだけで休日や旅行などには使っていたんですね。
1泊の臨海/林間学校はもちろん、修学旅行でも使っている生徒もたくさんいました。
先述したように、小物を入れるチャック付きポケットなどは一切ありませんので財布や小物の場所には困りました。
仕方ないので別途ポーチなどを買って中に入れたりして使っていましたが、でも結局はポーチを入れても固定出来ないので中であっちこっち移動してぐちゃぐちゃになったりしていました。
それでもこのバッグは「マディソンバッグを使いたい!」という気にさせたのです。
また外見のシンプルさと「MADISON SQUARE GARDEN 」の文字に惚れて皆使うので、現在のようにスマホやバッグを「デコる」ような事はしませんでしたが、持ち手の部分にアクセサリーやキーホルダーをつけたりはしていました。
人によっては「そんなもの付けたらせっかくのマディソンバッグがかっこ悪くなる!」と言う人もいたかもしれませんが、とにかく世間が皆マディソンバッグだらけなので間違いないようにするためにもアクセサリーや何かしらの目に付くアクセントは必要だったのです。
その後のマディソンバッグ
その後マディソンバッグは自然終息していき、街中でも殆ど見ることがなくなりました。
でも10年間もの人気が続き、誰でも持っていたと言うほどヒットしたバッグは現在に至るまで他に類を見ないと思います。
今でもごくごく稀に街で持っている人を見かけたり、テレビで昔の風景にちょっと映っていたりすると懐かしさがこみ上げてきます。
私にとってはまさに青春の1ページの一つでした。
しかし今でもマディソンバッグはファンが多く、オークションなどでもかなりの高値で取引されているようです。
大元のエース株式会社からは再販はされていませんが、そっくりだけど微妙に違う「マディソンバッグ」が数社から新規企画品として販売されているようです。(復刻版ではないという意味です。)
これらのバッグ全てがパチ物では無いようですので一概に「けしからん!」とは言えません。
でもどんなに正規の手続きを経てきちんと作られたものであっても、やはり昔流行ったオリジナル品には心情的なもので勝てないと思います。
それは単に私が昔のバッグを知っていて使っていたからというのが理由なんですけどね。
マディソンバッグが発売されていた10年間に青春時代(人によって定義は違いますが)を過ごした方の多くは同バッグをお持ちだったことでしょうし、何らかの理由で欲しいけど持てなかった方、記憶にあるけど興味なかった方など様々と思いますが、青春時代の思い出の一つであることは間違いなかったのではないでしょうか?
(以下の写真の引用元も上述のミドルエッジ様です。)
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