ユースホステルに泊まって何するの?
ユースホステルは単なる一夜の安宿?
ユースホステル(YH)は非常に安価で安心して旅を楽しめる宿ですが言い方を変えると「単なる安宿」、「若者が多く、しかも見知らぬどおしの相部屋の怪しい宿」になってしまいます。
YHが全盛時代(1970年~1980年代くらい)は特に規律が厳しく堅苦しく(酒は一切ダメ。消灯は21時~22時。ベッドメーキングはもちろん食器も各自洗うなど。)人によっては「二度と泊まるか!」と思う人もたくさんいたと思います。
でも私を始め多くのYHファンはそういう堅苦しい部分も含めてYHを楽しんでいたのです。
つまり当時YHが好きだった人たちは「旅先での単なる安宿ではなかった」という事です。
参考記事: ユースホステルの思い出と掟
ユースホステルは好きな人にとっては宿ではなかった
YHが宿ではなかった?というのは実に不思議な言い方です。
YHはホテルや旅館などと比べて内容はともかく旅先での宿であることに今昔問わず変わりはありません。
2食がついて(選択、素泊まりも可)、相部屋とは言えちゃんとしたベッドや布団が用意され建物が古くてもさほど不潔感もなく快適な1夜を過ごせます。
だから普通の旅先の宿である、と言えると思います。
事前に言っておけば食事なしで夜遅い列車で到着し、早朝の列車に乗るために暗いうちに出発するという事も普通に出来ますのでフットワークのよい旅も楽しめるのです。
では「YHが好き!」、「旅そのものだけでなくてYHに泊まることも目的」という人たち(私も含め)にとってYHではどのように過ごしていたのでしょうか?
ユースホステルの宿泊自体が目的の旅
旅は「あそこの景色が見たい。」、「あのホテル(旅館)で1夜を過ごしたい」、「名産品を現地で食べたい、買いたい。」という理由が95%以上となると思います。
では「あのホテルで」を「あのYHで」と置き換えるとどうなるかです。
ホテル(旅館)が目的であれば、「そのホテルならではの設備、部屋、食事」となるでしょうが、YHだと「あのYHは食事が良い」と評判のところでもしょせん1泊2食で5000円程度の宿ですから「豪華な食事」と言ってもたかが知れています。
最近でも家族ルーム以外は男女別相部屋が普通ですし、豪華な施設なんてありません。
せいぜい「食堂が広い。」、「マンガ本がたくさん置いてある」、「風呂が温泉(又は隣接のホテルの大浴場に入れる)」くらいです。
ではYHに泊まる事が目的の人はYHに泊まって一体何をしているのか?を箇条書きにしてみましょう。
▼早めにチェックインしてひたすらのーんびり過ごす。
通常YHのチェックインは15時頃。多くは2段ベッドの8人部屋ですが快適に過ごせる場所は多くの場合「窓際の下段ベッド」の事が多いので早く部屋に入れば好きな場所のベッドを選択できます。
もちろん18時の夕食まで昼寝も楽しめます。
和室のYHの場合は布団は寝る直前に自分たちで敷くのでどの場所で寝るかは同室の人と相談の上、という事になります、
▼隣接のホテルや旅館の大浴場を使えるYH
多くの場合チェックインと同時に入浴出来るので夕食よりもだいぶ早い時間から風呂に入れます。
大浴場がないYHの場合だと16時とか17時以降でないと入れないとか閑散期だと風呂場は1カ所だけ使い男女交代で使うとか快適には程遠い状況となります。
▼食堂やロビーにある大量のマンガを読み漁る。
すべてのYHにマンガ本があるわけではないですが、驚くほどの量の本を置いてあるYHも多くあります。
多くが以前泊ったホステラー(YHの宿泊者のこと)からの寄付のようですが至福のひと時でもあります。
喫茶店で読むマンガ本と比べてほぼ時間を気にせず読めますからね(食事と消灯時間以外は)。
▼YH近隣を散策
YHの利用者の殆どは一度YHに入ると出発時まで外出はしない事が多いのですが(外出禁止ではないが)、「あのYHに泊まったら近隣を散策してみよう」というのも一つの楽しみになります。
▼夕食後、無料で提供されるコーヒーやお茶を飲みながら翌日の計画を立てる。
大騒ぎをするミーティングがあるYHではちょっと難しいですが(その場合は部屋で)、食堂やロビーで静かにコーヒーを飲みながら手元には時刻表、観光ガイドと共に計画を書き込むノートに翌日の列車時刻や行きたい場所などを書き込むというのは実に楽しいことです。
注意:YHで提供されるコーヒー/紅茶はインスタントコーヒーやティーバッグが置いてあって「勝手にどうぞ!」という状況です。もちろん使い終わったカップは自分で洗わなくてはいけません。
なおYHによっては1杯50~100円取るところもあり、置いてある瓶や箱にお金を入れるという仕組みです。
「明日はここに行こう」、「この時間で列車間に合うかな?」などと考えながら計画を立てるのはワクワクドキドキする至福の時間です。
▼知り合った人たちと旅行の情報の交換をする。
YHで知り合う人というのは見ず知らずの人ばかりなので、もちろん初対面から肌に合わない人もいます。
でもそういう人でなければ知らない人と一夜の宿で旅の情報交換をしたり、思わぬ知識を授かったりと楽しくかつ勉強にもなります。
私もこのような場で数えきれないほどの多くの知識などを得ることが出来たのです。
またこのような話しをしていくと実は過去に同じ町内に住んでいた、同じ学校だったとか意外な事からつながりが発見出来たりもします。
このようにして帰宅後も親交を深めることもありますし、私もYHで知り合って四半世紀、あるいは30数年以上現在も続く友が何人もいます。(全て男ですが)
「あのホテルに泊まるのが目的」はごく普通にある話しですが、YHとなるとまるで違うのです。
もっともYHをご存じない方であれば単にホテルという文字と置き換えて考えると思いますが、僅かでもYHを知っていれば「え~?YHが目的なの?(ほんのちょっとYH宿泊経験者)」、「その気持ちわかるよ(YHベテランの人)」など意見も分かれることでしょう。
でもYHという極めて独特な世界(最近の一部のYHはビジネスホテルやペンション化していますが)を知ると「二度と泊まらない」と「クセになる」という2極化にはっきり分かれるのです。
好き嫌い、感じ方は人それぞれなので「YH大嫌い」という意見もあって当然でしょう。
でもYHが嫌いでも「宿にはYHという独特な世界もある」ことを知って頂ければと思います。
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YHってば、いろいろ融通がきいたんですよね。
「ハトヤ」じゃないけど、釣りで「釣った魚はその場で生け作りに」とか、
一升瓶持ってたら、「その場でプチ大宴会~?(プチで大はないっす)」とか、
ホテルじゃコーヒーは有料だけど、こっちでコーヒーもってけば、気ままにセルフカフェになるっすし、
「その」YHのルールの内にあれば、けっこう自由気ままだったし、
ある程度、自分が居心地よく過ごせる空間「無い知恵」を使って変えることもできるっす。
(もちろん、他のほすてらーにへの気遣いも必要っすが…そんときは巻き込めるならソフトに巻き込むのっす。)
もちろん、たたき出されることもあったんすが、あはははは…っす。
・・・不良ほすてらーだったもんで…ゆたか
大騒ぎできずに一人でぽつんとしてる方も中にはいますが、
(迷惑にならない程度を察して)そういう人と話ができたときは、けっこううれしいもんです。
(「心のトビラを開く」なんて、んなもんじゃないんですが、)
そういう人のほうが、ワイワイやってる方々よかも、とんでもないモノを持ってたりします。
(もちろんワイワイできる人はその人の「技能・能力」ですから否定しないです。)
無口だと思ってた人が、自分の世界や知識を語りだすその様子は…「オイシイ」です、えへへ…。
・・・別にSM趣味でないですから…はじめっち
「近隣の散策」とか言って、居酒屋に入ったまま、朝まで帰ってこなかったあほがいます。
・・・誰とは言わないみならいかのん
あたいはむずかしいことはよくわかんないけんども、
(あまし使いたくない言葉だけど)「常連さん」で仲間内とワイワイ騒いでても、
ふと席を外れて、違う人にも話しかけるヤツを見つけると、
まわり見えてるな!と思うのだ。そういうヤツは、
(ヘルパーじゃないけど)ペアさんにも信頼されていたりするのだ。
・・・話しかけられた人がリピーターになったりするの見たのだつるみんだからYHは「建物」じゃなく「人」が財産だったりするのだ
4あほ様
こんにちは。
コメントありがとうございます。
さて、
>融通が利いて・・・叩き出される・・
→融通に関してはまさにその通りでした。
暗黙の一定のルールを守れば何でもアリだった部分も。
「叩き出される」は経験はないですがそういう話しは聞いたことがあります。そこまでって一体何やったの?と思いましたけど。
>近隣・・・居酒屋・・・
→この話、あちこちで聞いたことがあります。
私の知る限りでは北海道ではあまりなかった気がしますが。北海道のYHは札幌や一部除いてド田舎ばかりなので居酒屋が近所にない、あってもすぐにばれてしまうとか。
>一人でいるホステラー・・・、常連の・・・
→一人でいる方とお話をすると他の方よりも貴重なお話を聞けることが多かった気がします。
というのも大騒ぎするよりも一人でいる方の方が「旅慣れている」方が多いと思うのです。
常連・・・は程度によりますが私は常連さんにはあまり良い印象と思い出がありません。
どちらかというと不愉快な方が多かったです。
特に女の子が多いYHの常連は最悪です。
最初から女の子目当てにYHに泊まっているような連中が多かったと思います。
まあそういう人も今やいい年したオッサン、多くの方が家庭を持って毎日お母ちゃんに怒られているのでしょうね。
皆様またおいで下さいね。
若い頃泊まったYHに、最近また行くようになりました。田舎の老舗旅館(文豪が泊まったみたいな)に、老婆が1人で行くと良い顔されないのでYHに出戻った訳です。それなりに楽しいです。
オリーブオイル様
こんにちは。コメントありがとうございます。
YHの数はどんどん減っていき、今の若い世代はYHそのものを知らない人が増えています。
でもそれらの反動でしょうか?
オリーブオイル様のようにかつて泊まり歩いた方々がYHを利用するという人が増えているようです。
おひとりで、ご家族でと様々ですが良い事ではないでしょうか?
元々YHは若い人限定ではありませんし。
私もまたふらっとYHに泊まりに行ってみたいです。
また当サイトにお越しくださいね。