駅のスタンプ

駅のスタンプは旅のお供

駅のスタンプをご存知ですか？
大きな駅はもちろん昔(国鉄時代)は地方の小駅、無人駅でも置いてある駅がありました。

スタンプ台は待合室、改札口脇など目立つ場所にあり、駅を訪れた人が旅行の記念に押すのです。

押す紙がスタンプ台に用意されている駅もありましたが、殆どの場合は個人持ち込みの紙、もしくはキオスクで普通に売っていたスタンプノート(スタンプ帳）を持参して押すのでした。

スタンプ台は様々な種類があったようです。

↓JR北海道・旭川駅（2022/5/18 弊サイト管理人が撮影。クリックで拡大。)

↓昔はこのような形状のものも各地で見かけました。(クリックで拡大)

画像引用元：Wikipedia  鉄道博物館にある旧岩泉駅のもの

鉄道、鉄道旅が好きとかでなくても老若男女問わず旅先で駅のスタンプを押す事に夢中になった時代があったのです。

猛者になると1分程度のごく短い停車時間でスタンプ台に走って行って電光石火で再び列車に戻って来る人も何人も見ました。でも乗り遅れた人も見ましたけど。

駅のスタンプは何が楽しかったの？

・・と言われると答えようがありません。
とにかく旅に出た証、記念ということしかありません。もちろんフィルムカメラしかなかった昔だって訪れた駅前で1枚撮影すれば十分記念になります。

でも駅のスタンプは青や赤、黒などといった単色であってもデザインが凝っているものが多く、記念にするにはちょうど良い大きさ(直径 約7～9㎝くらい) だったという事かもしれません。

↓以下はかなり古いものですが、基本形は今も変わりません。(クリックで拡大)

北海道・根室本線帯広駅(地上駅時代  1976/8/10）と釧網本線・浜小清水駅(1976/8/14)

いずれも弊サイト管理人がスタンプ取得したもの。

旅先で駅のスタンプを押すというのは何かドキドキワクワクするものがありました。
これは鉄道に興味のない人も同じことを言っていたのを思い出します。

21世紀の駅のスタンプは？

国鉄からJRになり、21世紀になり、インターネットやスマホが日常のインフラとなった今日でも駅のスタンプは健在です。

しかし置いてある駅がかなり限定されて来ていると思います。

どうしても大きな駅、観光地の駅、駅員のいる駅に絞られて来ています。
でもこれは仕方ないです。

時代の流れでスタンプを押す人が激減してしまった、フィルムカメラ時代は撮影可能なフィルムの残数を気にしながらシャッターを押していたわけですが、今はデジカメ・スマホ問わずカメラの撮影枚数なんてほぼ気にしなくて良い時代になったというのも一因でしょうね。

細やかな観光地の置物、ちょっとした案内図、なんでもかんでもシャッター押して、それどころかワンタッチで動画も撮れるしメールで遠隔地の知人にも瞬時に送れるなんていう昔からすれば夢のような時代になったので、わざわざ駅のスタンプ台を探してスタンプを押す、なんてする人が殆どいないのです。

私も昔はスタンプ集めに没頭していた時期がありましたが、今やデジカメやスマホで何でも・・・という今風の人になってしまいました。(年齢的にはオッサン、ジジイですが)

昔は時刻表にスタンプのある駅にはマークや説明書きが付いていたり、大きな駅だと駅員さんの手作りのスタンプ台の場所の案内図まであったりしました。

でも今でもまだまだ駅のスタンプが残っていることはうれしいことです。
数が減ったと言っても一部の無人駅にもあります。極めて少数派でもこれが楽しみの人の細やかな幸せを奪わないでほしいな、と思ったりもします。