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病院のカルテは空を飛ぶ!

カルテ輸送は空を飛べば簡単で早い!

 

患者が直接見たり使用することはありませんが、カルテは病院には付き物ですね。

医師から院内薬局や検査室などに運ぶ必要がありますが、以前は小規模な病院や町の診療所では書かれたカルテを看護師や事務員が必要な部署に運んでいたのでしょう。

しかし規模の大きな病院では非効率ですし、数をまとめて運ぶとなるとその分患者を待たしてしまうなどの弊害も生じます。

そこで考え出されたのが「カルテは空を飛ばして薬局や検査室に送れば早くて簡単!」というシステムが出来たのです。
最近のお若い方は「え?なんのこと?ドローンでも使うの?」とお思いではないでしょうか?

でも実際はもっと複雑怪奇でカッコよいシステムが存在したのです。

カルテが空を飛ぶってどういうこと?

ドローンが実用化されたのは比較的近年であり、ここ10年くらいで増えたのではないでしょうか?
ですからドローンではなく、またロープウェイのように天井にワイヤーロープを張り巡らせて、それにぶら下がるゴンドラが付いていたわけでもありません。

「空を飛ぶ」システムを取り入れていた病院は天井に空気が通過するパイプを張り巡らしていたのです。

そしてカルテなどの書類をカプセルに入れて、このパイプに投入します。
すると空気圧の力でこのカプセルが目的地まで運ばれるという仕組みです。

これは気送管という空気圧で物を運ぶシステムで、エアシュート、エアシュータなどとも呼ばれます。

英語の正式名はPneumatic tubeというそうです。

 

密閉されたパイプの中を空気の圧力で運ばれますので、非常に高速で「目の前を一瞬で通過する」というレベルの速さでした。
システムにもよりますが、50km/h前後の速度が出ると聞いたことがありますので、建物内での輸送と考えると大変な高速と言えます。

幼少の頃、大きな病院に行った時は物凄いスピードでカプセルが運ばれていくのを目にして感動すらしたものです。
パイプは確か透明なものと、金属製で中が見えないものがあったと思います。

そして調べてみると、このエアシュートシステムは病院のカルテ輸送のみならず、国内外の大都市圏内での郵便物、電報や比較的小さな小荷物輸送にも使われたそうです。

ニューヨーク、東京でもかなり大規模なエアシュートシステムが構築されていたそうで驚きました。



時代は電子カルテに変わりつつありますが・・・

今の時代は多くの病院でオンラインの電子カルテが使われるようになって来ました。

「なって来た」というのは実は思ったほど普及していないようなのです。正確に言うと「2022年現在、普及しつつある」のが正しいのです。

身内に医療従事者がいて話しを聞いたのですが、やはりコストの高さに民間病院では躊躇うようです。

では電子カルテが導入されていない病院ではいまだにエアシュータを使っているのかというと、そういうわけでもないようです。

元々エアシュータが導入されていなかった、看護師や事務員が直接手で持っていけば事足りる規模の病院であれば高額な電子カルテシステムを導入することもないのでしょう。

しかし電子カルテを導入していてもエアシュータを使っている病院は実は多くあるそうです。

何に使うのかというと献体や薬品その他、「書類や写真のように電子的にネットワークで送れない現物」を他部署に素早く送るためです。

つまり近年新しく建った病院でも電子カルテを導入しつつ、エアシュータを新規導入するところもあるということです。
もちろんそれらを当て込んで事業を行っている企業がいくつもあります。

 

↓病院での導入例 (2017年)
左側に並んだ筒が書類や物品を入れるカプセル。右の機械の縦方向の穴にセットする。

引用元:Hexafluoride – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=64008129による

 

文書や写真はネットワークでどうにでも電子的に送れますが、現物の物は送ることが出来ませんので、これからもかなり長い間エアシュータは使われると思われます。

もっとも搬送ロボットも開発されつつありますので、天井のパイプや大規模な圧縮空気システムなどが不要なロボットに置き換わっていくのかもしれません。

でもエアシュータの高速性には大きく劣ってしまいますね。

 

遠い将来は昔国内外で流行った「人間を電送する」というSF映画みたいなシステムが開発されるのでしょうか?
私がその時存命であっても、体全体を電気信号に変えて遠くに送る、なんていう体験は絶対にしたくありません。

「もしも」があったら取り返しがつかないですからね。機械は故障するものですし、電送中に停電が起きた、コンセントに足を引っかけて抜けてしまったとかになったら恐ろしいです。

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6 Responses to “病院のカルテは空を飛ぶ!”

  1. 3あほ より:

    電子カルテも便利で必要なのかもしれませんが、そのために、「マイナンバーカード」の中に
    健康保険証ばぁ組み込まれるのはイヤなんだよなぁ…、関係ないかの知れないけど。
    このまえ、「マイナンバーカード」の取得者数が「運転免許証」の取得者数に追いついた…ってばニュースでやってたけど、
    つい一か月前サイフとカード(貴重なものはなし ホッ!)を失くしたおっさんとしては、
    なんでも「一つにまとめる」と失くした時にコワい…ってのが身に染みてるもんで…。
    ・・・年寄りの戯言ですはじめっち若い人たちにはイイことなのかも…

    総合病院じゃまだ使っていると思うっす。中標津でも釧路日赤・労災でも使ってやした。
    ・・・最近はどうなのかはわからないのっすゆたか

    ありゃまぁ~、これマンガでみたことありますぅ…。
    エアシューターのカプセルに、小型爆弾を入れて病院内でテロ行為をするという内容で、
    無差別・同時多発的に多くの犠牲者が…でも、こういう対策はちゃんとしてるとは思いますぅ…。
    ・・・「脳男」っていうサイコホラー?みたいな話ですぅ…みならいかのん

    • kaikoshumi より:

      3あほ様
      こんにちは。コメントありがとうございます。

      私もマイナンバーカードは色々と懐疑的でした。取り敢えずカード内には個人情報が入らずログインに必要な情報だけということこと、個人情報といっても一部の方除いて結局は住所や生年月日など基本だけしかないことなどから今はさわぐほどでもないかな?とも思います。

      免許証や保険証だって似たようなものですもんね。

      私はポイント欲しさにカード作りましたがカードは家で眠っております。

      政府が言う利便性には期待していませんので。

  2. 浜のヨースケ より:

    管理人 様

    お久しぶりです!
    本記事の形状とは違いますが、
    ちょうど東日本大震災が発生する前日、初めて診察に訪れた古めかしい大病院の廊下や待合室の天井を、40cmぐらいの懸垂型モノレールの模型みたいな物体が不気味な騒音を立てて行き来していました。

    鉄道模型好きとしては、見飽きず診察までの待ち時間つぶしになりましたが、その実態は知りませんでした。カルテ輸送だったンですね。

    その後、病院は建て替えられて、モノレールも廃線となってしまいました。残念!

    (追伸)厳しい寒波だそうです。充分、ご用心を!

    • kaikoshumi より:

      浜のヨースケ様
      コメントありがとうございます。
      私はモノレールタイプの物はネットでしか見た事がありません。実際に見てみたいですね。
      調べるとモノレールタイプや従来のチューブタイプも全国にかなり残っているようで、特にモノレールタイプの物は今でも製造販売している業者もあるようです。
      新しい病院の天井にはこのようなものは見た事がありませんが、カルテは電子化されたけど献体や薬品輸送には重宝されているようです。

      ご心配ありがとうございます。
      今朝は一時、地吹雪になりましたが過去からすれば大したことはありません。
      でも気温は朝7~10時になっても-12度で最高気温は-10度だそうです。
      とても寒いです。

  3. anna より:

    ノンダクレーさんこんにちは(コメントは久しぶりです)
    電子カルテ少ないですよね
    だけど国の強制が入るようになったら、むしろアナログで保存してくれ!って気持ちが強くなりましたよ!
    内科のお医者さんで、たぶんドイツ語でカルテ書いてるとこがあります。むかしはこうだった・・・ いまや貴重?

    また、私も、今連想するなら工場のオーバーヘッド搬送装置みたいなのが、病院の天井を移動するのを、子どもの頃に見た覚えがあります。

    なんというか、いろんな進歩はいいけど、生活全般では、2000年ごろまでの程度で、じゅうぶんだったかも。。。と思うのです。パソコンはよく止まってましたが笑! じゃやっぱり今の方がいいか!

    • kaikoshumi より:

      anna様
      こんにちは。コメントありがとうございます。

      身内に医療従事者がいますが、勤務先は電子カルテを入れていますが、世間一般では非常にお金が掛かるので小さい病院は難しいようです。国は補助金出してくれても結局維持にお金がかかります。

      でも今頃紙で何て、とも思いますね。

      カルテは確かに昔はドイツ語で書く医者も多かったようですが、今は一部英語、実際は日本語が多いとか。 

      患者も理解しやすいし、検査部門、薬剤部門など他部署の人が皆ドイツ語や英語出来るわけでもないからのようです。
      今どきドイツ語で書くと「カッコつけてる」と思われるとか。

      ましてやブラックジャックのように患者の事をクランケ、なんていう医者は皆無だそうです。

      またお越しくださいね。

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こんにちは。私の名前は「 ノンダクレー」と申します妻子持ちの普通のクソ親父であります。
東京で生まれ育ち、横浜市に長いこと住み、現在は北海道札幌市におります。
色々と思う事が多くなる年齢、このサイトで「懐かしい街と物」をお楽しみ頂ければ幸いでございます。

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