カセットテープの思ひで・・・
音楽を聴くにはカセットテープ!
音楽を聴くにはとにかくカセットテープ!という時代が長かったと思います。
1960年後半~1990年くらいまで個人で録音して音楽を楽しむにはカセットテープしかなかったといっても過言ではありません。
もちろんお金と設置場所のあるオーディオマニアの貴兄はより高音質のオープンリールデッキを使っていたとは思いますが、カセットテープは今の時代で言えばスマホと同じくらいの地位があったと思います。
その後自分で音楽を録音して楽しむメディアとして、「MD」、「CD-R(RW含む)」、「メモリーオーディオ(所謂MP3など)」と変わっていきましたが、2017年現在でもカセットテープは無くなったわけではなく、それどころか若年層を中心にわざわざカセットテープで音楽を楽しむ人も増えて来たという話しもあります。
正直私のようなおじさんでも「今更カセットテープには戻れないしノスタルジーかな・・」と思いますが、でも私もカセットテープと歩んだ青春は否定できない事実なのです。
テープ自体も値段が安く、まとめて買っても大した金額ではありませんしテープデッキ(ラジカセ含め)も安価なので爆発的な普及をしたのだと思います。
カセットテープと付き合い始めたのは・・
私が過去購入したカセットテープの数は数えきれないほどだと思います。
最初の頃は1本づつ買っていましたが、1972年頃から1980年くらいまで続いたラジカセブームの時代は5本パック、10本パックでもかなり安い値段で売っていましたのでまとめ買いもよくしましたね。
私が学生だった頃の1980年前後、学校の近くに安売りの家電屋(チェーンではない)があったのですがここは当時でも信じられないほどの安価な値付けでカセットテープを店頭で大量販売していました。
時代が求めていたということと学生街だったことの両方の理由だと思います。
ただでさえ店頭表示の値段にびっくりするのに、お店の会員カード(無料)を作るだけでさらに数%引いてくれるという破格のサービスで貧乏学生でもまとめ買いが出来たのです。
私が初めてカセットテープを使ったのは曖昧な記憶では1972年頃だと思います。
親が買ったのか貰いものかは忘れましたが、↓こんなやつでした。(どこの家でもあったかも?)
引用元: 教えて!TOSHIさん:ブログ版 様
http://blog.goo.ne.jp/toshi1964_2
(注意: 上記写真の機種は私が所有していたものではありません)
モノラルですし、スピーカも付いていましたが音楽を聴く機種ではなくて会議や会話の録音用でしたが、自分で録音出来て聞けるというのは子供の私にとっては物凄いことで、嬉しくてしかたありませんでした。
そしてその頃から世はラジカセブームになるのです。
猫も杓子もラジカセを所有し、このブームは1980年代頃まで続きましたが一つのジャンルの商品でこれほど長く続くものも珍しいと思います。
当時のラジカセのブーム、所有率は今でいうスマホと同じくらいだったのです。
家電メーカはもちろんのこと、オーディオメーカもこぞって多くのラジカセを発売し、私の友人もラジカセを買ってもらう人が多かったのです。
私が買ってもらったのはソニーのCF-1700、通称スタジオ1700という機種でした。
↓これです。
引用元: 初期ラジカセの研究室 様
http://plaza.harmonix.ne.jp/~ita/
この機種についての詳細などは後日別の記事で書きたいと思いますが、当時当たり前だったごちゃごちゃしたデザインとは一線を成すスッキリとした洗練されたデザインはさすがソニーだと思いました。
この機種に惚れ込んだのはデザインと共に音質の良さでした。スピーカがULM(ウルム)スピーカというソニー独自の磁気回路を持つものでフルレンジスピーカですが他機種を引き離すだけの高音質だったのです。
これをきっかけに私は「カセットテープ沼」にはまり込んでいきます。
思い出のカセットテープたち
購入したカセットテープたちはあまりにも多くの種類を買ったので覚えていないものも多いです。
先に述べたソニーCF-1700を皮切りに社会人になっても何台ものカセットデッキを買い、その度により高音質(言い換えると高価)のテープを求めていたからです。
特に印象に残っているものをご紹介いたします。
●初期のソニーのカセットテープ
録音時間を「C60」とかのように表す数字が大きく描かれて、まるで誇っているかのような「LOW-NOISE」の文字が目立ちます。
(C60は60分用の意味)
そしてAUTO-SENSORの文字の意味ですが、これはテープの最後の方にアルミ箔みたいな部分があってこれをラジカセやデッキの光学センサーで検出してオートストップやオートリバースに使うものだったと記憶しています。
ソニーはこの商品の後に「AHF」、「BHF」、「CHF」とかの音質のランク分けをされたシリーズを出していますね。
↓クリックで拡大します。
引用元: WikiPedia
●ソニーと双璧を成したTDK
カセットテープメーカの大手と言えばソニーの他にTDKを忘れるわけにはいきません。
ソニーは総合音響/映像メーカで、テープなどのメディアでも第一線の会社ですが、TDKはメディア専業として黙っているわけにもいかない!という意気込みを感じさせる商品が多かったですね。
私がよく使ったのはこういうタイプ↓でした。
引用元: WikiPedia
このC180は180分録音が出来るという最長時間製品だったと思いますが、オーディオマニアでなくても180分テープは「使わない方がよい」と皆言っていました。
120分、60分テープよりもさらに材質が薄いんです。だからトラブルを起こしやすかったんですね。
私も180分は2~3度しか買った記憶がありません。
ちなみにカセットテープの最大のトラブルはこれ↓ですね。
引用元: WikiPedia
よくワカメとか言っていました。テープレコーダのキャプスタンとかに巻き込まれて大変なことになりました。
こうなったらもう復旧できません。でも修復キットも売っていたんです。
もちろん「ワカメ」になった部分は使えませんので、その部分ははさみで切って捨てるんですが、残った部分を修復キットの接着テープでくっ付けて残りの部分を使えるようにする、というものでした。
でもこの修復キットは180分テープには使うなとか説明書に書いてありました。修復しても薄いので直ぐに同様のトラブルを起こしやすいからです。
*カセットテープ史上最高の逸品! TDK MA-R!
最高の逸品とは個人的にそう思っているんですが、でも本品を知る多くの方も同意してくださるのではと思う製品がMA-Rです。
引用元: WikiPedia
ご覧のようにアルミダイキャストが入っていて持つとずっしりと重いのです。
振動を抑えて音質を向上させる、という意味合いがあります。
このダイキャストフレームの有無の比較などはやったことはありませんが、理論的には正しいと思います。
なぜならばカセットデッキのメカは複数のモータや複雑なメカニズムが動いていますが、それらがカセットテープ本体に振動を与えているのは事実です。
そしてアナログ記録ですので、テープとヘッドの辺りに振動が加わり歪(恐らく混変調歪となるはず)が生じると考えられるからです。
その証拠にグレードの高いカセットデッキはメカの剛性が高くなるような設計になっています。
この考えをテープ側にも導入した画期的な商品と言えます。
値段もMA-R以外のメタルテープと比べると当然高いのですが、ダイキャストフレームの安心感、消去防止用の爪は折るタイプではなくて、いったん抜いて方向を変えて差し込むというものでした。
ですので消去防止用爪を折って、再度録音に使う時にセロテープで穴をふさぐということをしなくてよいのです。
正直音質の聞き比べをやっても私の所有するデッキ、そして私の耳ではよくわからなかったのですがやはり安心感にお金を払っていた感じでしたね。
●メディア王のもう1社 フジフィルム
当時の社名は「富士写真フィルム」でしたが、カセットテープへの商品導入も大変に積極的で個性のある商品をたくさん出していました。
AXIA(アクシア)シリーズが有名です。販売のキャラクターには斉藤由貴を使っていました。
引用元: WikiPedia
品揃えも豊富で、メタルテープも他社よりも多少安かったと記憶しています。(店頭実売価格)
品質も安心感があってよく買いましたね。
●思わず欲しくなるTEACのカセットテープ
まず写真をご覧ください。
引用元: WikiPedia
まさにオープンリールですね。
これは初めて見た時に直ぐに買ってしまいました。
TEACはテープレコーダの老舗企業ですが、そういう会社だからこそのデザインなんでしょうね。
テープ自体はどこかの(TDK?)会社のOEMでしょうが、これはユニークでしたね。
後になんとリール部分を交換できるものも発売されましたが、興味を引くのは最初だけで結局面倒くさくて何度も交換しようとは思いませんでした。
事実交換リールの物はあまり売れなかったそうです。
カセットテープ番外
本記事で取り上げているオーディオ用のカセットテープは正式には「コンパクトカセット」というもので「Cカセット」なんて略した言葉もありました。
他にはボイスレコーダや電話の留守電録音用によく使われたマイクロカセット、コンパクトカセットの更なる高音質化を狙ったエルカセットなんていうのもありました。
エルカセットはコンパクトカセットのテープ幅を広げ、走行速度を速めて高音質化したものですが、1976年に登場した時は大変なインパクトで多くのメディアで取り上げられて注目を浴びましたが、「あれれ・・・?」という間に消えてしまいました。
初めて見た時はコンパクトカセットを単に大きくしただけのようなデザインで冗談かと思ったほどでした。
引用元: WikiPedia
私は買いませんでしたが、確かに登場時は音質には高評価を得ていたようですが、カセットテープはその小ささが評価されていたのにこの大きさは「いくらなんでもなぁ・・」と思うほどでした。
さらにエルカセットが登場した3年後くらいにはコンパクトカセットに待望のメタルテープが登場し、コンパクトカセットも飛躍的な音質向上を果たします。
メタルテープ以外は(エルカセットも含めて)テープに塗布される磁性体は全て酸化鉄であり、これは錆に強い反面強力な磁力の保持が出来ないのです。
メタルテープは酸化していない鉄を使うので非常に強力な磁力の保持が出来ますが、「錆びる」という致命的欠陥があるのです。
しかし鉄の分子を錆から保護する対策などを施して登場したメタルテープは酸化鉄のテープを数段飛躍させると言っても過言でないほど進歩したのです。
当然世間の目はエルカセットではなくてコンパクトカセットのメタルテープに行きます。
このせいでエルカセットはあっという間に消えていきました。
*クリーニングテープ
ヘッドをクリーニングするテープ/商品です。
乾式と湿式がありました。乾式はクリーニング機能を持った素材で出来ているテープを走らせてヘッドやキャプスタンの汚れを取るもので、湿式はしつこい汚れがある時にクリーニング液を併用するものです。
乾式クリーニングカセット
引用元: WikiPedia
湿式クリーニングテープ
引用元: WikiPedia
他には変わりものとして「カセットアダプター」なんてありましたね。
これはテープの入っていないカセットの筐体にデッキ側のヘッドに信号を送る回路が付いていて、このカセットをデッキに突っ込んで再生ボタンを押すんです。
そしてカセットアダプタから出ているコードをCDやその他別の音源(MP3プレーヤなど)につなぐとカセットデッキ経由で音楽が聴けるというものでした。
どんな時に使うかというとカーステレオでCDが付いていない機種に使うのです。
CDが登場したころのカーオーディオにはカセットはついていてもCDが付いていない機種もあったのです。
でもあっという間にCD付のカーオーディオが普通になったのであまり売れなかったかもしれませんね。
色々なカセットテープが発売になり多くの人に愛されて、青春そのものだった人もいるでしょう。
でも無くなったわけではなく現在も現役商品です。
MP3プレーヤなどに比べるとテープ交換の面倒さ、「ワカメ」になる危険性もありますが、やはり「回っている、動いている」というのは使っている実感がありますね。
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録音機能が付いた(普通はついてますが)機材はそれほどでもなかったらしいですが、
再生のみの機材は磁気がたまるというので、
「磁気とり用」のカセットでときどき「消磁」というのをやってました。
カセット入れて、「ピーーーぴっ・ぴっ・ぴっ・ぴ・・・」で約3秒くらい、
主に車のオーディオに乾式テープと併用で使っていました。
・・・でもあれ効果あったんかな?はじめっち
リンドバークの渡瀬マキさんが「RUSH LIFE」とかいう曲で、
「かけーっぱなしにした ハイポジッション」ってば
歌っているっすが、
もうテレ東の「懐メロ」歌謡番組で流されつつあっるっす。
・・・5年位前だと思ってたっすゆたか
CDとか(その先の技術わかんないんですが…)とか
音がきれいと言われてますし、確かにレコードと違い
頭一発出しとか、非常に容易なんですが、
振動が大きいところ、例えば学芸会の舞台の近くのミキサー室なんかでは、
揺れに強い「カセットデッキ」がいまだに現役で根強く使われてたりします。
・・・まだテープの活用場所があったりするみならいかのん
あたいはむずかしいことはよくわかんないけんども、
SONYのCFー1700ってば、見た感じ短波もついていそう…
って、はじめっちが言ってるのだ。
・・・むかし流行ったそうなのだつるみん
はじめっち&ゆたか&みならいかのん&つるみん様
コメントありがとうございます。
うわぁ~!こっちが懐かしい!!(笑)
消磁器ってありましたね。
ソニーは「ヘッドデマグネタイザー」というヒーローみたいな名前で売っていました。
私は持っていませんでしたが、当時の記事では「効果はあるが、これを使わなくてはいけないほど音が悪化したら他のメカなどはもっと悪化している」とか読んだ記憶があります。
相当悪い状況で使うものだったのかもしれませんね。
カセットと比べて音質はCDのほうがよいし(ノイズがない分)、曲の頭出しの便利さはCDを使うと元には戻れません。
さらにメモリーオーディオとなるとメディアを交換しなくてよいので更に利便性はよくなりましたね。
これらの良いと思う最大のポイントは「テープがワカメ」にならないことかなと私は思います。
でも昔のカセットの方がデッキやラジカセも含めて「所有と操作する満足感」があったと思います。
CD以降は全てにおいて「軽く」なってしまいました。
CF1700は短波も聴ける3バンドラジオ内蔵でした。
殆ど短波は聞きませんでしたが、夜に聞くと遠くの国の異言語の放送が聴けて楽しかったです。
あと東京にいても九州の放送が聞けたりもしました。
こっちが懐かしくわくわくしてきました。
また来て下さいね。