清潔は日本の基礎?
清潔な日本
私的にも、多くの海外経験のある知人の話しからしても、恐らく日本は世界で一番清潔が保たれている国だと思います。
なんでそんなことを書くの?と言われそうですが、高度経済成長期を知る管理人としては、当時の国の国民に対する多くの啓蒙活動が現在の日本になっていると感じるからです。
日本=世界一清潔という事には異論がある人もいるはずです。
例えば「そんなこと言ったって日本にも汚い場所はたくさんあるよ!」とか「俺はヨーロッパのXX国に行ったけど、あらゆる面で素晴らしい街並みで日本はかなわない」とか、「カナダは素晴らしく清潔で日本の汚さが目立つ」など仰る方もいます。
それらは当たっている面も多くあることでしょう。
でも彼らによーく聞いてみると、日本にも汚い場所がある事に関しては、そういう人は海外の汚い部分がどの程度多いか知らないで言っているとか、海外はとにかくきれいと言う人は「日本とは違う街並み、建物、家具に感動した」とか言う人が圧倒的に多いのです。
更に海外について突っ込んで聞いてみると、「一歩裏道に入ると酷いもんだった」とか「首都や大都市は良いが、田舎や地方都市は俯瞰では美しく感じても、歩いてみると首都との差があまりにも大きくて驚いた」という返事が返って来ます。
もちろん日本にも汚い部分もありますが、結果として清潔度世界一と言える根拠がたくさんあり、その基礎が作られたのは1960年代以降と思われるのです。
日本の清潔さが世界一と思われる理由
どうしてもヨーロッパの方がきれい、と言いたい人も多く、その気持ちも分からないではないですが、あえて日本が世界一と思われる事をあげて見ます。
なお以下の項目について「そんなこと言ったって少しはゴミが落ちているよ」とかいうご訪問者様もいらっしゃると思いますが、そこまで細かいことを追及していたらキリがありませんので、一般論として捉えて頂ければ幸いです。
●東京と地方都市、小さな村レベルの田舎でも清潔さは変わらない。
例としてごみが散乱していない、野良犬が闊歩していないなど。
→もちろんカラスが散らかしたり、道路もゴミが皆無ではありませんが、やたらとタバコの吸い殻や空き缶が散乱しているとかは殆ど見かけません。もっとも繁華街の早朝とかはちょっと散乱していることもありますけどね。
●ネズミやその他病原菌を媒介する動物はあまり見かけない。
都市部では見かけることもあり、時には何匹も見かけて不衛生と思った、とかの話しもありますが、海外の多くの国に比べたら比較にならないほど日本での遭遇率は低いはずです。
●平均寿命がほぼ世界一
これが私が言いたい「世界一の清潔さ」の最大の理由です。
平均寿命を国レベルで長くするには「国(街)が清潔であること」、「国民の栄養状態が良いこと」、「医療体制が整っていること」、「内戦等の戦闘やテロ行為がなく治安が良いこと」がすべてそろっている必要があります。
現時点では日本はこれらをすべて満たしています。
でも平均寿命世界一、に関して異論のある方もいるはずです。北欧の一部の国などは日本よりもほんの若干ながら平均寿命が長い国もあるからです。(性差もあり)
しかしあえて日本が世界一、と言って良い理由があるのですが、北欧のこれらの国の人口はせいぜい数百万人~1000万人超しかいないのです。
日本の人口は約1億2000万人超いますので、これほどの人口の多い国での寿命ですから圧倒的に日本の平均寿命は世界一と言って良いのです。
なお世界で人口が1億人超える国は日本を含めて11か国あったと思いますが、その中では日本の平均寿命は圧倒的に世界一です。
その他にもさまざまな理由がありますが、以下ではなぜ日本が世界一清潔になったかを考えてみます。
日本が世界一清潔になった理由
これは明らかに戦後、特に高度経済成長時代である1960年代以降に国の積極的な政策、教育にあると思います。
私は1960年代生まれのジジイですが、今振り返ってみると以下のような事が思い出されます。
◆学校でもらう教科書や各種パンプレットには以下のような記述が多かった。
「食事前や帰宅直後は手を洗ってうがいをしよう」、「決して落ちたものは食べない。たとえ薬であっても」、「家の中はもちろん街もきれいに掃除をするようにしよう」、「ドブには蓋をし、水溜まりは土で埋めてしまいボウフラなどが沸かないようにしよう。必要に応じて殺虫剤を使おう」、「毎食後には歯を磨き、毎日入浴して体を清潔にしよう」
など今では当たり前の事がイラスト入りで解説されていました。
◆銭湯という文化
国は急速に発展しても個人宅には風呂(いわゆる内湯)が無い家も多かった時代です。
しかし日本には戦前から銭湯という文化がありますので、疲れを癒す事も兼ねて銭湯が利用されて来ました。
これがある一定の清潔さを保ち、疾病予防になっていたのは事実です。
でも近年知った事なのですが、毎日シャンプーするというのは40年以上前だと当たり前ではなかったようです。
2~3日に1回どころか、1960年代くらいまで遡ると入浴も2日に一度、シャンプーも週に一度というのも珍しくなかったとか。
自分はそんな記憶がなくて、毎日入浴し、毎日シャンプーしていたと思いますが大人の世界では違っていたのかもしれません。
今思うとゾッとしますよね。
◆健康診断と予防接種
これは国を挙げて徹底していたと思います。今でもこれは当たり前のことですし、母子手帳には接種の記録欄もありますね。
都市部以外では検診車が回ってレントゲン撮影などもしていました。
でも21世紀になっても未だにこれらが徹底されていない国/地域は世界中にあるのです。
◆食中毒注意の喚起の徹底
高温多湿の日本列島は梅雨頃から食中毒が懸念される季節になります。
食中毒を防ぐには消費期限の管理徹底(お店も買う方も)、冷蔵庫に食品をしまうなどが重要ですが、高度経済成長期は冷蔵庫が急速に普及し始めた時期ではありますが、全ての家庭に行き渡っていたかは疑問ですし、冷蔵庫があっても食中毒が懸念される食品をきちんと冷蔵庫または冷凍庫で保存していたかというと疑わしい部分もあったことでしょう。
食品の低温保存は食中毒防止に威力を発揮しますが、そういう感覚にも疎かった時代なのでしょう。
微かな記憶で梅雨の少し前になると新聞、TV、チラシなどで食中毒注意の喚起として「冷蔵庫に食品はしまおう」とか「日付を確認して古いものは食べない」などと言っていました。
消費期限に関しては今のように厳格に表示されていなかったと思いますので、食品別の目安くらいはあったのかもしれません。
◆国民皆健康保険制度
やはりこの制度の影響もかなり大きいでしょう。
調子が悪ければ医者にかかる、調子が悪くならないように普段から健康に気を付ける、言い方を変えれば体と身の回りも清潔に保つとも言えます。
世界的には先進国でも国民皆保険が実現出来ていない国の方が圧倒的に多いのです。
高度成長期は国を挙げて衛生管理に徹底的に力を注いでいたのです。
上記は今でも当たり前、もしくは日常的に馴染みのあるものばかりですが、ネットなど無かった時代に新聞やTVなど考えられる媒体を使って「きれいな国」にすることに尽力を注いでいました。
政府が非常に力強いリーダーシップを発揮していたのです。
このような強いリーダーシップは明治維新などでも行われていましたが、今というか近年の政府のリーダーシップは、と問われると誰もが首を傾げてしまいますね。
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町中を歩いていて犬のウンコを全く踏まずに歩けるのは日本とロシア位ですね・・・パリも行った事がありますが、歩道の上は犬のウンコだらけで下を見ながら歩かないと絶対に踏んでしまうという位汚い状況でしたね。
まあ、西欧でハイヒールやマント、傘が発達した最大の理由・・・近世まで町中にあるアパルトメント(アパート)には便所が無くてオマルに用便をしてその中身を窓からぶち撒いていたのでそれを避けるべくこれらが発達したのでした。こんな不潔な事やっていた歴史があったので、コロナであれだけ犠牲者が出たのはある意味納得しましたね。ロシアはソ連時代に結構うるさかったことの名残かモスクワだけでなく北サハリンの街でもきれいでしたね。
キュア梅盛様
コメントありがとうございます。
Eu諸国は思ったより汚い、と様々な人から聞きました。
一見きれいに見えてもちょっと横道に入っただけで、とか多いそうですね。
仕事で初めて中国に行った時(有名都市でない地方の街です)、様々な衛生観念に驚いて少々ショックでしたが、帰国後にほぼ全世界に出張した人に話したら、「中国で参ったならばインドやバングラデシュは行けないよ」と言われました。