アラジン ブルーフレーム(石油ストーブ)
アラジンブルーフレーム
アラジンブルーフレームという石油ストーブをご存知でしょうか?
お若い方でも名前は知らなくても「見たことある!」という方が多いのではと思います。
以下のような形をしています。
写真のモデルは恐らく1960~1970年頃の昔のものですが、今も販売されていて基本形状は全く変わっていません。
画像引用元 :
リサイクルショップ リバーアイランド様
http://www.ri-shop.com/
このストーブは私の家にもあったのですが、アラジン社の製品は約100年もの歴史があり1929年にアメリカのアラジン社とイギリスの企業家の間で合弁会社をイギリスに設立したことから始まったそうです。
そしてその後はイギリスを中心に様々な製品を展開していきます。
現在日本での販売は「日本エー・アイ・シー株式会社」様が行っています。
本記事は上記日本サイトの写真や説明を元にしていますので、同時に見ながら本記事をお読み頂ければ幸いです。
(サイトよりの写真利用は禁止されているようです。)
アラジンブルーフレームはどんなストーブだった?
私の家にあったのは記憶の範囲、親からの話しなどからすると1966年頃~1973年頃だと思います。
先述の写真と時代がほぼ合致しますし、外形もほぼ同じなので私としては大変な懐かしさを覚えます。
家にあったのとは細部が異なりますが概ね同じ形状です。
このストーブはその後発熱する円筒形の部分に安全対策として金属製の保護ネット(柵?)がつけられ、さらに1972年のモデルからは自動耐震消火装置も付けられたそうです。
我が家のものはこれらよりも前の世代のものなのでそのようなものは付いていませんでした。
石油を入れる場所は一番下の円盤状の部分で、ここにあるキャップを開けて手動石油ポンプで入れるのです。
手動石油ポンプとは以下↓のようなもので、今の時代もあちこちで見かけますね。
画像引用元:Wikipedia
石油を入れる役割はいつも父、たまに母でしたがさすがに幼少の私は行ったことは1度もありませんでした。
このストーブ1台だけでは広い部屋を暖めることは不可能ですが、8~10畳くらいで北国でなければ十分かと思います。
古典的な石油ストーブですから火を点けてからも少々時間がかかって、じわーと部屋が暖かくなっていくのです。
部屋が冷えていて寒い時はストーブの前で上部に手をかざして暖まります。
石油ストーブは石油の補充や後述するメンテナンス作業が必要、燃料をこぼしたりストーブが倒れたら危険などの厄介な問題もありますが、空気が乾燥しにくいという大きなメリットがあるのです。
今の時代の主流は寒い北国を除けばエアコンによる電気暖房だと思われますが、エアコンにせよ普通の電気ストーブにせよ「電気もの」の暖房は空気が乾燥しがちになりますが石油はそんなことはありません。
歴史を感じるデザイン、石油を燃やして暖を取るという原始的な暖房機ではありますが、使うとなかなか手放せなくなる人が多いようです。
しかし後述する面倒な作業がてんこ盛り、という事も知っておかなければならないのです。
アラジンブルーフレームを使う上で面倒な部分
覚えている範囲で過剰書きにしてみましょう。
[普段使う時]
・上部(円筒部分)を倒して、下部の円盤状部分中央にある大きなダイヤルを回しながら、燃焼用の芯を繰り出してからマッチやライターなどで点火する。最低でも芯の円周方向に沿って2~3ヶ所点火する。
・火が付いたら綺麗な青白い火になるようにダイヤルで芯の繰り出し量を調整する。
→これは燃焼中でも適時行う必要があった(と記憶)。
・最上部、つまり天井部分には放熱や対流を促すためと思われる細長い穴が円周方向にいくつも空いていて、そこに付属の金具を突っ込んで回すと天井部分の蓋が外れる。でも何でここを外す必要があったのかは覚えていない。
・消化の時は芯の繰り出し調整ダイヤルを回して、芯を最も下げた位置にすれば消化される。
つまりワンタッチ消化ではない。
・燃料タンクの容量は公式サイトによると4.1L、燃焼持続時間は15時間となっている。
これは私の家にあったものと恐らく変わっていないと思う。この燃焼時間が長いか短いかは使う場面によるので一概には言えないが、とにかく15時間くらい経つと給油をしなければいけないのは事実。しかもカートリッジ式タンクではないので手間はかかる。
【メンテナンス】
現在の石油ストーブはメンテナンスと言ってもせいぜい汚れをふき取るなどさほど手間のかからない作業ですが、アラジンブルーフレームはやや面倒なメンテナンス作業が必要になります。
・燃焼用芯を削る作業
このストーブは燃焼用の芯を上げ下げして燃焼状態を調整したり消火したりしますが、この芯はいわばロウソクの芯と同じで使っていると芯自体も燃えて減って行きます。
減るだけならば新品と交換をすればよいのですが(後述)、そこまで行きつく前に芯がススで汚れてうまく火が付かない、火が付いても良好な燃焼にならないなどが生じてきます。
これを改善するためにススで汚れた部分の芯を専用工具で削る作業が必要となります。
工具はストーブを買った時の付属品で、金属製のリング状のものでした。
このリング状の工具を芯に上から被せてゆっくりと回転させるように擦るとススで汚れた部分が削れて、芯の新しい部分が露出して、また良好な燃焼が得られるようになります。
どのくらいの頻度で削るかは各家庭の使用頻度などによるので一概には言えませんが、父が何度も削っているのを見たことがあり、私も数回やらせてもらったことを覚えています。
十分にストーブが冷えた状態で、リング状の工具をあてがって回すとけっこう抵抗があるのですが、上から強く押し付けてはいけないと言われ、ゆっくりとかつ回転方向にはやや力を入れて回すときれいな芯が露出し、何故か変な達成感がありました。
・芯を交換する
先述したように削る作業を繰り返していれば芯はどんどん短くなりますので、ある一定の部分まで使ったら新品に交換する必要があります。
この頻度も各家庭まちまちですが、冬の間も何度も変えるほどではありませんでした。
交換用の芯は本体にはついていなかったはずですし、当時はあちこちに家電量販店なんてなかった時代なので多分取り寄せだったと思います。新品に交換している父を見た記憶がありますが、でも1年に1度やっていたかどうか、という頻度だったと思います。
住んでいた場所は東京23区内でしたから、この程度の頻度でよかったのでしょうね。
芯のメンテナンスが必要、とは言ってもこのストーブを使う上で一番面倒な作業はやはり石油の補充でした。
もちろん薪ストーブに比べれば全然楽ですが、カートリッジ式でない石油ストーブはこれほど大変なんだと子ども心に思ったものでした。
アラジンブルーフレームの素晴らしいところ
色々と面倒くさいストーブであることを書きましたが、総合的に見ればとても素晴らしいストーブです。
・小ぶりな本体に比して、10畳くらいの部屋でもじわーっと全体が暖かくなる。
・長時間使っても空気の乾燥が少ない。
・全体が円筒形の形状なので、置く場所を選ばず、部屋の真ん中に置くことが出来れば部屋が均一に暖まる。
・一般的に石油ストーブは特に消火時に石油と燃焼ガスの不快で強い匂いがすることがあるが、アラジンブルーフレームはこの匂いが極めて軽微で消した後も室内は比較的快適に過ごすことが出来た。もちろん燃焼中も不快な匂いは殆ど無かった。
などなどさらに使う人によっては更なるメリットを見出すことが出来ると思います。
あまり推奨出来ませんが、上部の部分に水の入ったヤカンを置けば加湿器としても機能します。
(なぜあまり推奨しないのかというと、天板部分の面積が狭く一般的なサイズのヤカンの底面積とほぼ同じなので、ぶつかったりするとヤカンをひっくり返す危険があるからです。)
そして何よりこの大変古典的なデザインのストーブが各種改良がされて2022年になっても現役で売られているという事が評価されている証であるとも言えます。基本デザインは全く変わっていないのです。
我が家にあった製品の後継機は先述したように保護用柵(ネット)や自動耐震消火装置なども装備されるようになりました。
ストーブの名機ともいえるアラジンブルーフレームのじわーっと暖まる感触、製品名にあるとおりの美しい青白い燃焼の炎は今でも目で体で鮮明に覚えています。幼少期のたかだか数年間の付き合いだったにも拘わらずです。
し・か・し、 今このストーブを買うかというと実際に家で使っていてよく知っている身としては躊躇します。
理由は「石油の補充が面倒」、「昨今地震が増えて来ているようなので火がむき出し(本体内部での燃焼だが)の恐さ」、「現在住んでいる所が札幌なので半年近くに及ぶ酷寒の冬を考えると能力不足」などです。
でも忘れられないな、と今回記事を書いていてしみじみと思いました。
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対流型のストーブっすから、内地のうちの家じゃ、コレに「やかん」「せんぷうき」があれば、
部屋ん中はあったまるし、加湿はするし、「灯油コンロ」と同じ働きばぁして、
お茶とか飲めるすし(んだども、「空焚き」には要注意っす)便利だったのっす。
・・・コーヒーのためだけに寒いときとか台所に立ちたくないっすゆたか
あたいはむずかしいことはよくわかんないけんども、アミとかノッけて、
モチとかカンコロモチとか焼く(ちょっち火力が強かったりするだども)と、
塩梅がよかったりするのだ。今なら、「焦げ付かないアルミ」とかちょうどいいのだ。
・・・あと「オヤジ専用の熱燗木」にもなったりしたのだつるみん
むかしは「反射式」よりも小型タイプだったら安かったんですが、
いま、どこのホームセンター行っても、「反射式」の倍の値段かな…って感じです。
さらに、「地震感知装置」なるものもついてて、揺れると消えるんだけど、
それが「水式」なもんで、子どものいる家庭では、バタバタして接触して、
「感知装置」が働くと、水なもんだから、1~2日くらい乾かさないと再利用できない…
そんな時は、家族でコタツに潜り込み、ねこの取り合いをするわけで…。
・・・んでも「反射式」よかも相対的に長持ちだったりするんですはじめっち
ウチの歴代にゃおんには、「対流式」は人気がありませんでしたぁ…。
・・・コタツついてないときは「反射式」で背中温めてましたぁみならいかのんときどき背中焦げてちりちりになったりしてましたぁ~
4あほ様
こんにちは。コメントありがとうございます。
皆様もストーブには様々な思い出がおありなんですね。
コメントを読んで思い出しました。私が一番楽しみだったのは「餅を焼くこと」でした。
幼少の頃は家にオーブンとか無かったので餅を焼くと言ったらガスレンジに網を載せて、という方法でした。
でもストーブで焼くと何倍も美味しく感じたんですよ。
石炭や薪ストーブならばそうかもしれませんが、石油ストーブだと単に石油の匂いが付くだけなのかもしれませんが
それでも子供にとってはワクワクドキドキしていました。
なつかしいな。またおいでくださいね。