マルス JR(JNR)の座席予約システム
マルス=世界に誇る座席予約システム
【本記事の写真は私の友人から借りて撮影したものです。ご協力に感謝いたします。】
マルスというのはJR(旧国鉄時代を含む)の座席予約システムです。
みどりの窓口にある係員が発券時に操作する機械や、お客さんが自分で操作して指定席などを買う切符自販機の総称です。
「総称」というのは本当は正しくないのですが、このシステムを説明する上で総称と言った方が判りやすいかな?と思いました。
さてマルスとは、MARS : Multi Access seat Reservation System といい、簡単に言えばコンピュータで座席予約をするシステムのことです。
現役バリバリのシステムなので本サイトで取り上げるのは?と思う方もいらっしゃると思います。
でもマルスは50年もの長い歴史があり、その最初の頃のシステムに使われた「ある物」を友人からお借りしたのでその写真と共に記事を書きたいと思ったのです。
現在使われているマルス端末(係員用)の一例の写真です↓
(クリックで拡大します)
(引用元: Wikipedia )
マルスの詳細は本記事では省きますが、当初はコンピュータが出力した結果を直接切符に印字できず、係員が手で切符に転記していたそうです。
その後直接切符に印字出来るようになりましたが、でも全ての項目を印字出来なかったりゴムのスタンプ(自動的に印字も含む)を使ったり色々と試行錯誤の上現在のシステムになったようです。
今は個人でも非常に安価で高性能なPCやプリンターを家で使える時代ですが、ここまでコンピュータが進化するまでは大変な苦労があったようです。
今回は40年以上(あるいは前後)前に使われていたマルスのスタンプをご紹介します。
スタンプといっても手で押すのではなくて機械にセットして自動的に印字されるものですが今となっては大変貴重なものであります。
マルスで使われていたスタンプ
以下が友人からお借りして撮影したものです。
思ったより全長は長いんです。
(クリックで拡大します)
この活字棒はマルス101システムで開発されたものだそうで、同システムは1964年から使用されています。
そして活字棒はマルス104システム(1970年)まで使われたそうです。
今回撮影した活字棒がどのマルスの物かははっきりしませんが、いずれにしても今から約50年くらい前に使われた可能性があるわけですね。
ゴム印はかなりすり減っていますが、洗浄して多少手を加えればまだ使えそうな感じです。
さて私が「みどりの窓口」で切符を買う時に一番印象に残っているのは通称「パタパタ」というシステムでした。
以下のような端末で、係員が金属のプレートを本をめくるようにして該当路線を出して(これがパタパタの語源)、駅名などの部分にピンを突っ込んでデータを確定するというものでした。
(クリックで拡大します。)
(引用元: Wikipedia )
これは見ていて実に面白かったですね。
係員が要望の列車や座席が取れない時はかなり悩んで「パタパタ」をやってピンをまた別の所に差し込んで・・・という作業を繰り返しやっとの事で指定席が取れた時はお客である私の安堵感よりも、係員の達成感を感じたものです。
膨大なデータから欲しいものを選択するのによくぞまあこんなシステムを考えたものだと感心します。
今のように画面に表示される情報をマウスでクリックしたり、タッチパネルを操作したりなんて考えもつかなかった時代の産物ですね。
なお「パタパタ」は2002年9月30日まで使われていたそうなので、考えようによっては結構最近まで使っていたんですね。
それと以下のような切符の自販機に並んでいるものもマルス端末の一つなんです。
普段何気なく使っているんですが本当にコンピュータシステムの進化を感じます。
(クリックで拡大します)
(引用元: Wikipedia )
マルスは単にJRの座席予約だけではなく、ホテル、飛行機、他社路線、ツアー旅行など非常に多くの予約が出来る素晴らしいシステムです。
予約に関してこれほど大規模・多彩なシステムは世界中でマルスだけであり何処も真似の出来ない世界最高峰のシステムです。
今や個人でもPCやスマホで何でも出来てしまいますが、これも過去多くの先人が苦労に苦労を重ねて今があるということを忘れないようにしたいですね。
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