コダック EasyShare V570(デジカメ)
コダック EasyShare V570 は超個性的なカメラ
私は写真・カメラが大好きなのですが、画質の良いカメラ(レンズ)を選ぶのはもちろんですが画質が多少悪くても個性的で使っていて面白いというカメラも好んで買ったりしていました。
そんな中で2005年12月に発売された 「コダック EasyShare V570」は超個性的で面白いカメラでした。
概観は以下のようなものです。
↓クリックで拡大します。
レンズ部が不思議な感じがすると思いますが、実は以下のレンズが2つ搭載されています。
(焦点距離は35mm換算です。)
・ウルトラワイドレンズ: 23mm/F2.8 (単焦点)
・光学ズームレンズ: 39~117mm/F3.9~4.4
いずれもシュナイダーのKREUZNACH C-VARIOGONを採用。
この手のデジカメで広角側が23mmなんてまずありませんでした。
ズームのほうも117mmまでいけますし、安価なデジカメにしては全域のF値が「そこそこ明るい」のも魅力でしたね。
(今となっては最望遠が117mmは全然物足りないですけど)
使っていてとっても楽しいコダックV570
V570を私は店頭で初めて知ったのですが、ほぼ「衝動買い」でした。
(こんなこと↑言ったら友人からは「お前が買うものは全て衝動買いじゃないか!」と言われそうですが。)
一目ぼれです。
個性的なデザイン、そして当時であってもかなり小型でしかも薄いんです。
デュアルレンズでありながら。
外形寸法は電源OFFで突起物を除き、W101 x H49.8 x D20.4 mm でした。
この寸法は電源OFF時とは言え、ONでもレンズは全く飛び出しません。(望遠でも)
その他の主なスペックは以下となっていました。
イメージセンサー: 有効画素数500万画素 1/2.5型CCD
動画記録: VGA(640×480):30fps、QVGA(320×240):30fps (QuickTime MOV (MPEG4))
記録媒体: 内蔵メモリー: 32MB (画像保管用に28MB使用可能)/外部 SDカード/MMCカード
フォーカス: 光学ズームはAFのみ(補助光、コンティニアス付き)/ ウルトラワイドは固定焦点(80cm)
液晶: 2.5型23万画素
電源: 付属専用リチウムイオン電池
メニューの言語: 18ヶ国語設定可能
今から13年も前の機種ですが、500万画素あれば今でも充分な画素数ですね。
特筆すべきなのは言語が18ヶ国語に対応していることです。
さすが歴史あるグローバル企業と言う感じです。
コダックV570の操作性は?
印象的なのはパワーオンからの起動が物凄く速いのです。
オンにすると独特な起動音に続いて前面のレンズカバーが一瞬で開きます。
このカバーは円形で、回転しながら横にスライドするように動作するのですが開閉はいずれも一瞬と言うくらい速いです。
またレンズを2つ搭載しているわけですが、レンズの切り替えスイッチと言うものはなくてズームレバーで1つのレンズのようにズームが操作できます。
但し前述したレンズのスペックにありますように23mmの次がいきなり39mmとなるので、決してシームレスと言うわけではありません。
安価で面白いカメラを作りたかったのでしょうから、この割切りはアリと今でも思います。
当時このズームの途切れについても批判的な記事/意見は特に無かったと思いますが、これはコダックだからだったかもしれず、国産メーカだったら「ダメだな、これじゃ」とか言われていたかもしれません。
日本車と外車の比較でも同様なことが今でも言われますが、どうも日本人の変な悪い癖だと思います。
また外観はのっぺりとした単なる箱で、持つ時の滑り止めもありませんが全体が小さく薄いと言うことも合って、持ちにくい/滑りやすいと言うことはありませんでした。
フォトギャラリー
外観の写真を以下に載せておきます。
いずれもクリックで拡大します。
とても薄いのがわかるでしょうか?
背面は日本のメーカーと異なり平面のパネルにスイッチを単純にならべただけというシンプルなものですが、私に言わせれば【舶来感】を感じられてとっても好きなデザインでした。
コダックV570 の画質は?
カメラの画質と言うのは個人の感覚と好みが入ってしまうので表現が難しいのですが、パッと見は鮮やかで派手めな色と感じます。
液晶はやや薄めの色の感じですが、撮影した写真はPCのモニターにせよプリントにせよ(私の感じでは)コダカラーの色に近い気がします。
これも完全に私の個人的感覚なのですが、コダックのフィルムは様々な種類があれどリバーサル系統は落ち着いた渋めの色、ネガのコダカラーは一般向けするやや派手な色と昔から思っているのですが、V570は一般向けデジカメなのでコダカラーの色なのかな?と・・・。
(真意はわかりませんけどね)
対して富士フイルムはリバーサルもネガ系も赤と緑が強調された派手な色のフィルムが多い気がします。
リバーサルであればベルビア、ネガであればリアラという感じで。
これらは彩度が極めて高く、特にリアラは赤系がすぐに飽和する感じがしました。でもこの2種類はいつも好んで使っていました。
さてV570の解像感ですが、パッと見ると先述した派手めな色に目を奪われてそこまで観察力が回りません。
でもそこそこディテールが強調されているようで、万人向けする写真が撮れるという感じです。
等倍表示ではセンサーの小ささと画像処理にお金をかけられない機種ということで、とても見れたものではありません。
ディテールも完全に潰れて明るい外で撮った写真でも結構ノイジーですし、暗部は完全に潰れてかつ斑点状のノイズが出たりします。
でもこの手のカメラの写真を画質チェックのために等倍で見ること自体反則ですし、極めてイレギュラーですので等倍は目を瞑りましょう。
A4サイズくらいまでの印刷であれば充分な画質が得られると思います。
最後に、コダックのその後は写真好きな方ならばご存知のような状況です。
最近またコダクローム(エクタクロームだっけ?)を販売するとかしないとかニュースになることがありますが、やはり富士フイルムのように今までの資産を生かした方向に早めに事業転換をしなかったツケが露呈してしまいましたね。
富士フイルムは化粧品や薬品などに積極的に進出して大きな利益を上げていますが、このことを「早めにこれらに参入したからだ」と言う人がいますが、実は違うんです。
富士フイルムは写真フィルム全盛時代からそれらの材料の製造とノウハウがあるのでそれらを化粧品や薬品に生かしただけなんですね。
(実は私の知り合いに同社に勤務している人がいます。)
もちろん事業転換が早かったのは事実ですが、最近になっていきなり化学関連に参入したわけではなくてずっとやって来たものを一般向け商品にしただけなんです。
でもコダックはやはり歴史と伝統がある会社ですし、日本の会社ではないので【舶来感】を我々日本人が感じるような商品を作って欲しいな、と切に希望します。
スポンサーリンク