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小学校のプール授業

プール授業は夏の風物詩

誰でも経験するのが夏のプール授業ですね。
各段階の学校でありますが、特に小学校のプール授業は一番印象的かもしれません。

それまでは幼稚園/保育園でビニールプールなどでバシャバシャと水遊びをしていたのが、小学校に上がりちゃんとした準備運動、そして水泳の基礎を学ぶわけですからまるで違いますね。

でも今までが単なる水遊びだったのが、いきなりきちんとした授業で自由好き勝手に出来なくなるのは大嫌いと思う子供も多かった思います。

クラスでもプール授業が好き/嫌いというのは半々だったりしたのではないでしょうか?

それでもある程度基礎を学んだ後、「自由に泳いでよい」と言われると歓声が上がるほど大喜びだったのも事実だったでしょう。
この場合、泳ぐと言うよりも水遊びとして楽しんだと思います。

結局プール授業の前日や始まる前は嫌々でも自由遊泳となると楽しくて、授業が終わると皆まんざらではない顔をしていました。

しかしプール授業って半分遊びみたいでも物凄く疲れるんですよね。
特にこれが4時間目の給食直前とかだったら午後はそれこそ下校時刻まで爆睡に成りかねなかったというくらいの脱力感があったのは今でも身体が覚えています。

それほどの全身運動、一番健康に良いスポーツは水泳と言われる所以ですね。

プール授業のお決まりごと

着替えや準備体操はもちろんですが、その他にも以下のような「お決まりごと」(イベント?)がありました。

 

足と腰を洗ってからプールサイドに行く
更衣室やプール入り口からプールサイドに行く途中には、短い階段が前後にある(学校により有無は異なる)短い小川みたいな場所がありました。

水の深さは20~30cmといったところでしょうか?
ここには消毒液が入っていました。(薬品を入れない学校もあったようだが)

ここで腰以下(言い換えると股間)を付けて消毒しろということなのです。
プールでは「水中でも目を開けてよく見なさい」と指導されますので、物もらいを始めとする病気の感染を最小限にするために腰から下を殺菌するんですね。

皆ふざけながら腰を屈めてこの小川を通過しました。
でも私は子供心に、「こんなので本当に消毒できるの?」といつも疑問に思っていました。

授業の前後にはシャワーをきちんと浴びる
授業開始前は身体の汚れを落とすと言うよりも水温に身体を慣らしておくという意味合いだったと思います。
夏の暑い日でも授業前のシャワーはとても身体に冷たく感じた記憶があります。東京都内の学校でしたが手や顔だけを水につけるのと全身で浴びるのでは感じ方が大きく違うんですね。

授業後は身体のカルキ成分を落とすためなのかもしれません。またふざけながら(男子は)プールの余韻を楽しんでいました。

プール授業が終わったら目を洗うこと
授業後はシャワーを浴びる前後のいずれかで「目を洗え」って言われましたよね?

両目を同時に洗える専用の蛇口の水道があったり、無い学校では蛇口を上に回して水を飲む時の角度にして目を洗うとか。
そして先生から、「指で目をしっかり開いてよく洗いなさい」と言われて、やはり男子はふざけあって目を開きながら洗っていました。

男子はプール授業の有無に関わらずよく両目を両手で上下に思い切り開いて、女子に向かって「うぁ~!」とか叫んで脅かして遊んでいました。
男ってバカですね。

↓こんな蛇口がありました。

画像引用元:
マイライフ「デジタルカメラで切り取った世界」 My photograph life nandasu 様
https://blog.goo.ne.jp/nandasu



最近のプール授業でやらなくなったこと

つい最近知ったことですが、伝統的なプール授業での「お決まりごと」が全国で消えつつあるそうです。
もちろん全ての地域、学校でということもないと思いますが、激減または地域によっては絶滅したこともあるとかで私はちょっと驚いてしまいました。

プールでの目洗い
これをやらない学校が増えているそうです。理由は、

目には角膜などを保護する粘膜があり、50秒以上洗い続けると水だけでも粘膜が取れてしまい、代えって目の保護には良くない。付着したゴミなどは涙で自然に流れ落ちるようになっている。

ということだそうです。

50秒間も目を洗い続ける人なんていないと思いますが、結構な水圧で洗うこともあるし、習慣になるのはよくないでしょうね。
だから消えつつあるのでしょうし、プールの設備更新の時には目洗い用の蛇口を付けないのが一般的だそうです。

足腰を消毒液に付ける。
これも学校によりますが設備を残したままでも「使わない」、「水を張るが消毒液は入れない」という選択をするそうです。
プール自体には多かれ少なかれカルキを入れるので、消毒はこれで充分、あえて更に消毒液に児童を浸ける必要はないとの考えとか。

もっともだな、と思います。

 

上記の2点は私の子供の学校も該当したのかもしれませんが、「今日プール授業あったの?」、「楽しかった?」くらいしか聞かないので詳細はわからないし、気にしたこともありませんでした。

プール授業が全国で必須になった理由

これもつい最近知りました。
それまでは必須になった理由なんておっさんになっても考えさえしませんでした。

この理由にはとっても悲しい事件が背景にあるのです。

宇高連絡船の紫雲丸が1955年5月11日に他船と衝突・沈没事故を起こして多くの人(168名)が亡くなったのです。

特に修学旅行中だった小学生が多く亡くなり、そのような悲惨な事故を無くそうとこれをきっかけに船の安全装備が強化され、そして万が一の時にも生還出来るように、とプール授業が必須化されたそうです。

テレビなどでこの事件を知った時には我が子と重なってしまい、胸が押し潰されそうな悲しみを感じました。

そしてプール授業をやるにはプールが必要ですが、当時は高度経済成長真っ只中だったのでプール建設が追いつかなかったそうです。
結局プール授業が全国に行き渡ったのは1970年代半ば~後半と非常に時間がかかってしまったようです。

もちろん建設が間に合わなかった学校は中学、高校や近隣の市民プールなどを使ったのです。

私の小学校(練馬区)もプールが出来たのは4年生の時でした。

経済成長が鈍化してからもプールの建設には多大なる費用がかかりますので、国策だからといって簡単に作ることが出来なかったのでしょう。

温暖な地域で海水浴が出来る学校は、プールを作らなくても海での授業も認められたようで、現在でもそういう学校はたくさんありますね。

また最近は今までのようなありきたりのプール授業は行わず(つまりバタ足やクロールなど教えない)、服のままプールに飛び込んで身体を浮かせて生還することを学ぶ授業を取り入れる学校も出て来ています。

これは特に中学校以上のようですが、確かにこの方が大切かな?と思います。
濡れた服は物凄く重いですし、身体の自由も利きませんね。

学校の先生方も「なぜプール授業をするのか?」を殆どの方が知らないのでは、と思います。


プール授業は命を守るための訓練であり、それがいつの間にか夏の風物詩になったのです。

そして目洗いなども時代と共に変わっていきました。

でも授業には大変に重い背景があったにせよ、子供時代のプール授業は年代を超えて一生の思い出となることに変わりはありません。
それはこれからもずっと永遠だと思います。

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4 Responses to “小学校のプール授業”

  1. 峠の釜飯 より:

    ノンダクレーさま
    お初になります。
    私の通っていた足立区の小学校では,悪ガキが見学の女子を水の中に突き落とす事を面白がってやっていました。
    ただし,突き落とした児童は先生からメチャクチャ怒られていました。

    貴殿の小学校では,どうでしたか???

    • kaikoshumi より:

      峠の釜飯さま
      コメントありがとうございます。

      >・・・見学の女子を水の中に突き落とす・・・
      →それは無かったです。
      プール授業ではいじめや度が過ぎた悪ふざけは記憶に無いです。

      でもバミューダはいてプールに木刀持ち込んでプールサイドに正座させられたアホはいました。
      あ、これは男子校の高校時代の話でした。

  2. はじめっち&ゆたか&みならいかのん&つるみん より:

    今、「山梨県」の閉校した学校を回ったりしてるんですけれども、
    「プール」があっても、「体育館」がない小学校があったりして、
    全校朝会なんかする「講堂」みたいなとこはあって、
    そこで、ゲームや器械体操をしたりすることがあったようです。
    「プール」優先なのは、そういう歴史なんかがあったのかもしれないとは…
    貴重な情報ありがとうございました。
    ・・・小中併置校は両方あることが多かったみたいですはじめっち全く調べが足りないんですが…

    網走管内には「プール」ある小学校は多かったんすが
    根室管内の小学校は自前の「プール」を持った小・中学校はあましなかったのっす。
    むかしは「死体ごっこ」とかいって、「どざえもん」のマネすると、
    教師にこっぴどく怒られたもんすが、現在では、
    ネーミングはともかく、水に浮かない子供にこの方法が採用されてるらしいのっす。
    ・・・気候の関係っすか?ゆたか

    自由に入れてある程度の悪ふざけは許される?
    「夏休みプール解放」ってのがありますが、
    山梨県(だけかも)じゃ、あまりの猛暑に中止になったとか(再開したのか?)…
    「プールサイドが焼け付いて歩けず」、「監視員が熱中症で…」なんて、
    中止の理由は様々でしょうが、夏休み中ってば、
    ガキんちょどもは、どう過ごしていたんだか・・・
    ・・・やっぱし「ゲーム」ですかみならいかのん

    あたいはむずかしいことはよくわかんないだども、
    3・4時間目にプールがあると、午後は先生も授業にならなかったのだ。
    逆に5・6時間目だと、食べた給食戻すやつがいて、大惨事寸前だったのだ。
    ・・・1・2時間目だとクチビルムラサキなのだつるみん

    • kaikoshumi より:

      はじめっち&ゆたか&みならいかのん&つるみん 様
      コメントありがとうございます。

      プールがあって体育館がない、やはりプール優先の国策の結果なのでしょうね。

      【つるみん様のコメント】
      わかりますね。戻す奴は見たことないのですが、あの疲労感はすさまじいものがありました。
      子供時代であれを越える疲労感は他に無かったのではないでしょうか?
      もちろん大人も。

      また来て下さいね。

kaikoshumi へ返信する

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管理人について

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こんにちは。私の名前は「 ノンダクレー」と申します妻子持ちの普通のクソ親父であります。
東京で生まれ育ち、横浜市に長いこと住み、現在は北海道札幌市におります。
色々と思う事が多くなる年齢、このサイトで「懐かしい街と物」をお楽しみ頂ければ幸いでございます。

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