Sponsored Link

東京はきれい?汚い?

東京は大都会だけど本当にきれいな町なの?

 

東京に住んでいる方はあまり考えたことがないかもしれないし、他県の方が東京を訪れても、その人口と高層ビルの多さに圧倒されても「きれいか、汚いか」については考えもつかないと思います。

これは日本全国、大都市でも田舎町でも町並みや道路は何処に行っても清潔なので「きれいさ」という点では差をあまり感じないということなのでしょう。

これは世界的に見ると日本は特異なことです。
多くの国では先進国であっても「大都会はきれいで立派、田舎町は道路も凸凹で町並みは汚い」という図式が未だに多いのです。

もちろん日本も「ちょっとな・・・」という場所もあります。
地名はあえて挙げませんが東京はもちろん地方の主要都市などでも「公園がブルーシートのテントの住民に占拠されている。」、「1年中道路や公園にゴミが散乱している。」などあることはあります。

しかし全国的に見ればごくわずかですし、こんなに狭い国土なのに日本の人口は世界で11位(2019年)、首都圏人口は圧倒的な数字で世界1位という状況を考えれば「きたない」と思う場所は世界的に異例中の異例というほど少ないのです。

もちろん何をもって汚い/きれい、かと定義するかによりますがここでは一般的な人間の感覚で言っています。
例えばヨーロッパの美しい都市を訪れて「なんて美しい、日本よりはるかにきれいだ」と思う方もいるでしょうが、それはきれい汚いではなくて、「異文化が珍しく見えて、かつ自分にとって受け入れることが出来る内容」だったに過ぎないのです。

恐らく一見絶句するほど美しい海外の町並みも清潔さ、衛生状態という部分から見ると日本の都市の方がはるかに上の場合が多いはずです。

「日本がそんなにきれいで清潔だななんて・・・」と否定したがる人もいますが、「1億2000万人もの人間の平均寿命が世界1~2位、そして疾病罹患率や新生児死亡率の低さ」などきれいで清潔で医療体制が整っている国という多くの証拠があるのです。

 

でも東京も「それなりの」時があったのも事実なのです。

東京でも昔は汚い部分が・・・

他の記事や当サイトのプロフィールで書いていますが私は今は札幌在住ですが、生まれ育ちは東京ですし、長くいた横浜市も東京と一つの町とみなしてよい場所です。

そんななか、やはり幼少~青春期を過ごした東京での思い出は非常に強烈なものがあります。

前述したように今は東京はもちろん地方都市であっても道路も町並みも何処に行ってもきれいで清潔なので、30歳以下くらいの方は「東京が汚らしい時代があった」なんて信じられないかもしれません。

以下の内容は特記事項がなければ「東京23区内」での出来事です。

くみとり式トイレが多数あった。
いわゆる「ぼっとん便所」です。23区内も多くあり(ほとんどが一般家庭ですが)、おおざっぱに言うと昭和50年(1975年)頃までは割と多かったはずです。

関連記事恐怖のボットン便所

こんなトイレですね↓

このトイレは水洗ではないので便器の下にかなり大きな「便槽」とも言える汚物を溜めるプールがあります。
単に溜めるだけなので定期的に除去しなくてはいけません。

この汚物を回収する車が「バキュームカー」という車両で、以下のような車両が都内あちこちを走り回っていたのです。

バキュームカーの一例

画像引用元: 東邦車両株式会社 様

https://www.shinmaywa.co.jp/toho/index.html

車両からは掃除機のホースの2~3倍くらいの太さのホースがついていて、ホースの先をトイレの外側の蓋を開けて便槽に突っ込み、車のエンジンの力を利用した陰圧(バキューム)で汚物を吸い上げるのです。

ところで昔はバキュームカーで回収する業者を「おわいや」と言っていたことがありました。
これは東京だけなのか、地域によって別の言い方もあるようですが、私は「おわいや」という言い方しか知りません。
これについても記事を以前書いていますのでご覧下さい。

関連記事おわいや

ぼっとん便所はスリッパを落としたり、小さな子どもは恐ろしくてトイレに行くのを嫌がる子もいたのです。
(知る限り子どもが落ちたという話しは聞いたことがないが)

何時ごろかは分かりませんが、ぼっとん便所を塞ぐように工事をして洋式トイレの便器を設置する(または水洗っぽい和式便器にする)改良をする家が増えて来ました。

直接便槽が見えませんので大きな恐怖の穴が開いたトイレではなくなり、匂いも相当改善されたのです。
これは簡易水洗という方式で、通常の水洗トイレのように水タンクを設けて用を足したら水を流すのです。

でも見えないだけで便槽はあるので定期的なくみとりは必要となります。

知る限りですがこの簡易水洗は比較的短寿命だったのではないかと思います。
やはり高度経済成長に合わせて自治体や国が通常の水洗化を推し進めたと思われるからです。




ゴミ捨て場にゴミが溢れたりして匂いもした
今でもゴミ捨て場の扉をきちんと閉めないなどの不手際があると、カラスが荒らしたりしてごみが散乱していることがあります。
でも昔(1970年代頃までか?)は都内でも簡易な木や石でできたゴミ捨て場(箱)が残っていて簡易な鍵もついていない蓋だけでカラスが荒らし放題だったのです。

もちろん気温が上がる季節には生ごみの匂いがしたりしていて、ご自宅が目の前の人は散々な目にあったのでしょう。

生ごみから出た汚水(?)が地面を伝って流れ、その匂いに猛烈な吐き気を催したのを覚えています。

23区内にも肥溜め(こえだめ)があった!
私が幼少期を過ごした練馬区は東京23区でも一番西の端であり、東西に長い練馬区でも上石神井や大泉だったので、さらに西の外れでした。

その分公園にも恵まれましたが、高度経済成長期でありながら畑も結構ありました。
(練馬区西部の畑は2021年現在もかなり残っているようで、航空写真を見ると私が幼少の頃からそのまま変わっていない畑もたくさん残っていて驚いています。)

そんな中でもさらに練馬の端の端、西東京市(当時は保谷市)に近い場所には肥溜めが何か所かありました。

肥溜めって分からない若い人も多いかもしれません。
農作物を作る時には化学肥料を使いますが、大昔(遥か江戸時代やその前から)からほんの数十年前までは肥料として人糞を使っていたのです!

これは前述したぼっとん便所からバキュームカーで汲み上げた汚物の廃棄されない分の行き先となるのです。

肥溜めというのは田畑の近くに設けられた穴を掘っただけの簡易なプールで、ここに人糞を溜めておき必要な時に肥料として使うのです。

当然匂いはひどく、おちたら大変なことになります。(実際はそんなに深くないのかもしれないが)
人糞を使うのは衛生上の問題や、戦後しばらくの間は衛生状態が悪く人間の消化器系に宿った寄生虫が人糞に混ざり、これが肥料として使われてまた人間の口に、という悪循環もあったので人糞肥料は日本では相当前に使われなくなっています。
(海外の国によっては今でも使っている)

練馬区にあった肥溜めですが、実は私が幼少の時に見た段階では既に使われなくなっていました。
近所にあった、歩いていたら偶然見つけたというものでもなくて、友人から「あそこに肥溜めがある」と教えてもらって見に行ったという状況でした。

既に使われなくなっていたので肥溜めの上にはトタンなどで蓋がしてあり、周囲には近づけないように有刺鉄線が張ってありました。

しかし近くによると強烈な悪臭がして、やはりただならぬ物が目の前にあることは直ぐに分かりました。
落ちたら一巻の終わりと思っていたので有刺鉄線を越えて見てみようとは思いませんでした。

しかしそれらの肥溜めもいつの間にか埋められてしまい、跡地もどの場所かわからないほどの住宅密集地になってしまいました。

これが数十年前まで東京23区に存在したのですから驚きです。私が見た時点で既に東京オリンピック(1964年)などとっくに終わり、新幹線や高速道路が当たり前の時代になっていたのですし。

都内では目が痛くて涙が出る。
だいたい1970~1980年くらいの時期ですが、当時東京や国内の一部の主要都市では光化学スモッグなる大気汚染がありました。
難しい話しは私も分からないのですが、とにかく大気汚染で光化学スモッグが出ると普通に歩いているだけで目に猛烈に染みる目薬をさされたみたいな感じで、涙が出て来てしまいには目が開けられなくなります。

特に晴れた日に多いようで、テレビでは「明日は光化学スモッグ注意報が出ます」とか事前の予報まで出たのです。

酷い日は目に染みるなんていうレベルではなくて、例えば真夏の海辺で肌がジリジリと焼けて、日焼けで痛くなるという事が目に起きるのです!

目が痛いなんてよほどのことが無い限り経験することはありませんが、光化学スモッグはまさにそれを経験させてくれたのです。

恐らく当然呼吸器系にも良くないはずですし、テレビでの注意報の他に繁華街や大きな駅前には光化学スモッグの濃度などを表示する電光掲示板があったりしました。

確か新宿駅の東/西口それぞれにもあったと記憶します。

でもいつの間にか光化学スモッグの話しは全く聞かなくなり、晴れの日でも目に染みるような事は皆無になりました。

自然消滅はあり得ないので、産業界や国が随分努力をしたのだとは思います。

 

いかがでしたか?

20代くらいまでの方は自分が生まれるはるか前の大昔の出来事と思うでしょう。

それ以上の年齢の方は経験しなくても「聞いたことがある」、または「よく知っているよ!」という方も多い事でしょう。

しかし数十年前というのは自分の年齢に当てはめると物凄い昔かもしれませんが、街や国の歴史という事からすると「ほんの昨日の出来事」なのです。

記事中にも書いた私が幼少の頃から知っている練馬区の畑が未だにそのまま、それ以外にも「あの街角のあの家、建物がそのまま」など変わっていないことの方が恐らく多いと思います。

東京都心だって高層ビルがどんどん建てられても、ビルのたもとには数十年前から変わらない民家や戦後すぐに建った低層ビルが現役だったりしているのです。

本記事を読んで街を歩く時にご自分が生まれる前のはるか昔に思いを馳せて頂ければ私はちょっとうれしくなります。

スポンサーリンク


4 Responses to “東京はきれい?汚い?”

  1. キュア梅盛 より:

    東京は世界的に見てもきれいな街ですよ。

    パリなんて歩道は犬のウンコだらけでしたし(パリ在住の義兄曰く、それを掃除する仕事で食っている移民労働者がいるので・・・と)。

    • kaikoshumi より:

      キュア梅盛様
      コメントありがとうございます。
      私はパリやEuにはいったことが無いのですが、よく聞く話としてEuの多くの国は意外に汚らしいという話しです。
      カナダなんかも行ってみると日本人のイメージとちょっと違うとか。
      やはり日本は世界トップクラスのきれいな町ですよね。
      今住んでいる札幌もそう思います。でも北国は雪解けの季節はすごく見た目が汚いですよ。
      それは車が運んできた泥が路肩の雪に付着して、それが溶け出してすごい状態になるからです。

  2. Tanimoto0309 より:

    神奈川県民ですがよく目黒川をみていますがけっこう汚いです

    • kaikoshumi より:

      Tanimoto0309様
      コメントありがとうございます。
      目黒川、私もよく知っています。それもとんでもなく昔からです。

      実は目黒川はあることで縁があります。
      大昔から目黒川は綺麗ではありませんね。

      両岸だけきれいにしている感じです。

kaikoshumi へ返信する

サブコンテンツ

管理人について

管理人

こんにちは。私の名前は「 ノンダクレー」と申します妻子持ちの普通のクソ親父であります。
東京で生まれ育ち、横浜市に長いこと住み、現在は北海道札幌市におります。
色々と思う事が多くなる年齢、このサイトで「懐かしい街と物」をお楽しみ頂ければ幸いでございます。

スポンサーリンク





写真素材無料【写真AC】


無料動画素材なら【動画AC】

このページの先頭へ