夏休みの昼寝
子どもの夏休み
子どもの頃の最大の思い出は?と聞かれると様々なことがあるにせよ、夏休みと答える人が多いのではないでしょうか?
やはり1年で一番長い休みなので経験できることもたくさんありますね。
北海道など北国では夏休みよりも冬休みの方が長い地域もあります。しかし子どもの時って「夏」という言葉を聞くだけでウキウキしませんでしたか?
冬と違って夏はよほどの大雨とかでなければ毎日外に出れますし、虫も採れるし花もたくさん咲いている、アイスやかき氷も食べれる、親と一緒に旅行もしたりなど子どもにとっては良いことずくめです。
でも本記事ではあえて「夏休みの昼寝」にだけ着目します。
夏休みの昼寝は?
大人になっても暑い日は頭がボーっとして来て、冷房の効いた部屋であっても外の暑さと強い日差しのせいか眠気に誘われることもあると思います。
なぜ暑いと眠くなるのか?いや暑いが直接の原因ではなくて結果とした疲労感なのかは分かりませんが、多くの人が経験しているはずです。
でも子どもの時に暑さに任せて昼寝をするのはとても気持ちが良かったと私は覚えています。
子どもの夏休みは宿題を除けば「時に身を任せて好き放題」でしたからね。一生のうちで一番贅沢な時間だったかもしれません。
ひんやりした畳、縁側の日陰の部分、ベッドに無造作に体を投げ出し、暑さとだるさに身を任せてふーっと意識が遠のくのがとても心地よく、目が覚めるとびっしょり汗をかいて窓の外は日が暮れていた。
こんな天国のようなひと時は長い人生の中でもそうないと思います。
そして入眠する時には住んでいる環境、時間帯などにもよりますが、薄れゆく意識の中でアブラセミ、ミンミンゼミの声、カラスの鳴き声、軽飛行機やヘリコプターのプロベラの音、外で遊ぶ子どもの声、車の音などが耳に入って来ます。
目が覚める頃にはヒグラシの鳴き声、地域によっては17時を知らせるチャイムや音楽の調べ、親が夕げの支度をしていて包丁とまな板がぶつかる軽快なリズムなどがスッキリと気持ちの良い目覚めに誘って(いざなって)くれます。
これらはある意味最高のBGMといえるのではないでしょうか?
私がこれらの音で更に印象深かったのは「電動カンナ」の音でした。
カンナとは大工さんが使う木の表面を削る道具で、その電動版です。
グィーンという機械的な音ですが、電動カンナという名前は知らなくても多くの方は音を聞いたことはあるはずです。
私が小学校低学年の頃は近隣で新築ラッシュでしたので、この音が日常的に私の生活のBGMでした。
回転するカンナの刃が木の表面を削り、その機械の側面から削りカスが豪快に飛び出す(噴射というレベル)のです。
この音が私の入眠の大いなる手助けをしてくれたのです。
こんなリッチな?お昼寝はいかが?
昼寝が深すぎて夕暮れには起きることが出来ず、夕食の時間になって親から「起きなさい。ご飯出来たよ」という声で起こされる。これが夏休みの日常かもしれないけれど、声をかけてくれた母親の声は特に忘れられないものとなりました。
真夏は人間でもネコでも日陰で本能に任せて昼寝をしたい・・・
夏休みの昼寝には欠かせない脇役があった
ご家庭によって様々な脇役が幼少期の昼寝の時間を演出してくれたと思います。
その中で脇役の最高峰、といえばやはり扇風機ではないでしょうか?
私が幼少期の頃はクーラーのある家は少なく、多くの家は扇風機が主たる涼をとる機械でした。
今でも冷房が嫌いな方は家に設置せず扇風機や冷風扇を使う、全ての部屋にクーラーを設置していないなどのご家庭もたくさんあると思います。
冷房は世界中の人々を快適にかつ幸せにする機械と言って過言ではないと思いますが、夏休みの昼寝、うたた寝はやはり扇風機やせめて冷風扇が良いと思います。
もちろんこれらを弱に設定しても直接かつ連続で風を体に受けるのは健康上良い事ではありませんが、昼寝の時は親がタイマーを掛けてくれたり、体から扇風機を離してくれたりしてくれました。
夏バテで体がぐったりしている時には冷房よりも扇風機のあの生暖かい風が入眠時には変に心地良いのです。
そして羽が回転する音、首振りをオンにすれば羽が回転する音が遠ざかったり近づいたり・・・ これらは脇役として最高の入眠サウンドになるのです。
特に幼少期は「あ、こちらに近づいてくる!(扇風機が首を振る事)」、「遠ざかっていく!」というのをいちいち頭の中で考えたりします。
入眠時に羊を数えるではありませんが(実際に数えていたら余計眠れないが)、これにより入眠はより早く快適になります。
もちろん風鈴の音も素晴らしい脇役ですが、幼少期は扇風機の方が音だけではなく風を運んでくれるので多分昔も今も子どもアンケートを取ったら扇風機に軍配が上がると思います。多分。
最高の昼寝の仕上げとは?
夕暮れに昼寝から目覚めて普通は夕食→入浴、テレビ見たり時には花火をやって今度は朝までしっかりと寝る、となりますね。
でも夏休みは子どもにとっては究極ともいえる最後の仕上げもあったのです。
それは目覚めたら夏祭りに行くことでした。
私の思い出としては従姉妹の家に泊まり、昼間さんざん遊んでから昼寝をし、夕方従姉妹やおばさんたちと近所のお祭りに行くのが最高の贅沢だったのです。
夕食は屋台のたこ焼き、焼きそばなどで済まし、さらにかき氷やチョコバナナなどを買ってもらったりもしました。
これほど楽しい夏休みの大イベントはありませんでした。ある意味親と旅行に行くよりも楽しかった気もします。
大人になってから思い出すと・・・
大人だって短い夏休みに出かけない日は昼寝もします。
でも扇風機よりは弱または除湿モードにしたエアコンを使い、畳の上(布団やクッション無しで)や板の間に適当に寝るなんて酔っぱらっていない限りまずしないですね。
縁側で寝れば蚊に刺される、虫が来て嫌だ、なんてかわいくないことをいつの間にか言うようになっています。
そして入眠時は適度にお酒を飲んだり、スマホを持ちながら寝落ち、というのが大多数かもしれません。
ましてや先述した「薄れゆく意識」なんて言ったら「死んじゃうの?」なんてうがった捉え方をしてしまいます。
悲しいけどおじさん、おばさんになるとどうしてもこう考えますかね?
でもやはりミンミンゼミ、アブラゼミ、ヒグラシの声などを聞くと一瞬で幼少のあの日に連れ戻されるのも事実です。
人によるではありますが、私はセミの声を聞くと遠い遠い夏休みの気だるい日に思う存分昼寝をした事を恐いほど鮮明に思い出してしまうのです。
我が子を見ていても思うのですが、子どもって「あれほど昼寝したのに夜もなぜこんなに長時間連続で寝れるの?」と余計な事ばかり考えます。
つまり私が年取ったということなのですね。長時間寝るというのも体力を相当使うらしいです。
年はとりたくないな~
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