Sponsored Link

ウィークエンダー(TV番組)

テレビの歴史に残る番組・ウィークエンダー

 

「ウィークエンダー」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
「ウィークエンド?週末のこと?」、「ウィークエンダーってWeekendの末尾にerつけて週末の旅行者っていうこと?」など意外にTV番組名だったことを知らない人の方が多いと思います。

これは日本テレビの番組で1975~1984年にかけて土曜日に放送されていた夜のワイドショーです。

正式な番組名は「テレビ三面記事 ウィークエンダー」でしたが、一般には「ウィークエンダー」という名称の方が行き渡っていたと思います。

ワイドショーの定義ははっきりしていませんが、現在でも朝、昼を中心に多くのワイドショーなる番組が放送されていて、ニュースや様々な世間の注目すべき話題を掘り下げて解説するという番組ですね。

報道の側面を持っていながら純粋な報道番組とも異なり、バラエティー番組の要素も持ち合わせているものです。

そんなワイドショーであったウィークエンダーをご紹介します。

【最初におことわり】
ウィークエンダーをご存知の方は直ぐにご理解、ご納得して頂けると思いますが、当該番組は「40年以上前の番組」とは言え、当時でさえ「テレビで演出・放送して良いのか?」と様々な議論はもちろん苦情さえも多発した番組です。

従いまして弊サイトではその中身を露骨に書くことは極めて難しいものとなるので、かなりオブラートに包んだ表現とさせて頂きます。
どうしても当時の詳細が知りたければ無責任な言い方で恐縮ではございますが、弊サイト以外でお調べ下さいませ。

ウィークエンダーとはどんな番組だったのか?

この番組は簡単に言えば「世の様々な注目度の高いニュース、事柄をリポーターが分かり易く解説してくれる番組」でした。

先述したようにつまりワイドショーであり、ウィークエンダーよりずっと昔からワイドショーは各局が力を入れて制作・放送していました。

しかしウィークエンダーはそれまでのワイドショーとは大きく異なる番組でした。

一つのニュースにつき一人のリポーターがフリップなどを使い、丁寧に分かり易く説明する、これはそれ以前から行われていた事ですが、ウィークエンダーの最大のウリは、

再現フィルム

でした。

事件を分かり易くするために現在でも再現シーンなどは普通に使われてきました。
今はより簡易的なものとしてCGを使う場合もありますね。

しかしウィークエンダーの再現フィルムなるコーナーは、「全てリアルな人間が行う、まさにテレビドラマ」でした。
CGなんか無かった時代という事もありますがアニメなども使っていませんでした。

しかも最大の話題と言えるのは再現フィルムの、

内容と表現が露骨すぎて明らかにテレビ番組の基準を越えていた。

という事でした。これは一種の社会現象となるほど衝撃的で数多くの賛否の声や議論が交わされたのでした。

1つのニュースに対して1つの再現フィルムということではなくて、その放送回の中でもっとも注目される内容のニュース(事件)をリポーターの解説と共に再現フィルムが設定されていたのです。

例えばその放送回のリポーター4人だったら、4つのニュースを取り上げて、そのうちの一つに再現フィルムがセットされていたのです。



ウィークエンダーの再現フィルムの内容は?

問題の内容ですが、今思い出しても本当に衝撃的でした。
〇人事件とかだったら、露骨に刃物を持った犯人が襲い掛かり〇しぶきが飛び散る、被害者が酷く苦しんで倒れる、浮気が原因で大変大きな事件に発展してしまったとかだと、その「大きな事件」についてよりも浮気現場中心の再現フィルムになる、など明らかに興味本位、視聴率本位の内容だったと言えると思います。

当時の製作者や何らかの本番組の関係者の方は今でも「決して興味本位ではない」と仰られるかもしれません。
しかし少なくとも今この番組の内容を知らない人に教えて意見を求めれば99%の方は「興味本位」とお答えになるのではないでしょうか?

昨今はコンプライアンス、モラルに厳しい時代でもありますが、「表現の自由」、「自由なインターネット世界」を盾に「何言っても良い」と勘違いされる方が多いのも事実です。

ましてや利権が絡むことならば「一人でも多くの注目を集めたい」と思うのが人間と言えるでしょう。

放送開始からしばらくの間は「〇人事件をかなり露骨に扱った」ということで、当時の時代を以てしても苦情が殺到し、TV局側はもちろん出演者に対しても苦情の嵐だったようです。

このような事件は時代を問わず、必ず被害者がいるわけで、残された遺族の悲しみも想像を絶するものですから報道するにしても興味本位で行ってはいけないものです。

しかし当該番組は興味本位であったと思います。
反論もあろうかとは思いますが、「人の不幸で飯を食う」のは表現の自由が保障された国であっても現に慎むべきです。
(現在でもこの手の事件の報道の在り方が明らかにおかしい、というものはたくさんありますけど。)

 

そしてTV局側もあまりの苦情により方向転換せざる負えなくなったのでしょう。
レポーターの解説+再現フィルムという形態は変えずに再現フィルムの内容は大きく舵を切ったのでした。

それは内容を大人(特に男性向け)が興味を引くものとしたのですね。
男女の逢瀬を露骨に表現し、「事件とは無関係の場面じゃん」というものばかりでした。

しかも土曜日の夜10時というのは小学生だって高学年になれば起きている時間です。

今思い出しても制作側のやり放題だった気がします。
今風で言えばAVが土曜日の夜10時に地上波で流れる、という状況でした。

胸の先も露出していたと思いますし、子どもから見れば「大人や両親はこんなことするの?」とあっけにとられるほどの内容でした。

当時私は中学生、しかもテレビは茶の間に1台だけだったので目のやり場に困りました。
横では親も起きているんです。

うちは父親は非常に就寝が早かったのですが、母親は困った顔をしながらも横で無口で見ていました。

父もトイレで起きて来たりして、再現フィルムの場面だったりすると「こんなもの見るな!」と激怒しました。
もっとも強引にスイッチ切ったりはしませんでしたが、父親も夜10時のテレビ放送でやる内容とは相当驚いたようでした。

 

友人である程度裕福で親が理解ある家だと、当時でも自分の部屋にテレビがあって再現フィルムも堂々と見れる!なんて自慢している同級生もいました。

この話しを聞いて中学生だった私は正直「羨ましくてしょうがない」と思いましたね。

とにかく近年のTVドラマのラブシーンどこのレベルでは無かったのです。
完全にAVレベルが普通に夜10時に放送されていたのです。




ウィークエンダーの思い出深い出演者

この番組は当時、及びその後大変有名になった方々が多く出演されていました。

司会は漫画家でもありタレントでもある加藤芳郎さん(2006年1月没)でした。

鼻の下に生やした髭と笑顔が印象的でしたが、今思うとこのような番組の司会をやるタイプではない気がするのですね。

とても真面目で嘘が付けない、下ネタなどは大嫌いというタイプに見えたからです。
実際経歴やエピソードなどを拝見すると「かなり堅い」感じの人だと分かります。

まあお仕事として割り切っていたのかもしれませんが、卒なくスムーズに司会進行されました。

 

リポーターの方も多くいらっしゃいましたが、一番印象深かったのは泉ピン子さんでした。

当時中学生の私は、「うわぁ~早口でよくしゃべる面白いおばさん(おねえさん)!」という印象を受けました。

その後彼女は様々なドラマ、番組に出演し現在の知名度と地位を得たのですが、ウィークエンダーは彼女を飛躍させる1歩だったのかもしれません。

あと横山やすしさん、西川きよしさん、大山のぶ代さん、うつみ宮土理さんと言った大物もたくさん出演されていました。

再現フィルム出演者には何と柳沢慎吾さん、山口良一さんらもいたのですね。
今思うと驚きですが、このような役柄から飛躍していったのでしょう。

ウィークエンダーの評価など

この番組のリポーターの説明は分かり易いものが多く、当時駆け出しだった若いリポーターの方々も熱心にやっていたと思います。

それらの説明だけでも事件の内容などはよく分かりましたが、やはり再現フィルムはオマケというか興味を引くためだけだったと思います。

そして事件についての説明も泉ピン子さんは当時から今のキャラクターが充分に予想出来るような話し方でした。
見ていて分かり易いだけでなく、面白かったです。笑いを取ろうという演出もかなり入っていました。

これはこれで良かったと思います。そしてやはり司会の加藤芳郎さんの進行は抜群でした。

各ニュースの説明直前には「鬼警部アイアンサイド」のテーマと共に「新聞によりますと・・・」というナレーションから始まり事件概要を伝え、その後にリポーターが詳細を解説していくという進行でした。
(ここのナレーターは元日本テレビアナウンサーの小早川正昭さんだったそうです。)

 

そして番組の最後には画面に毎回

来週こそいい週でありますように… おやすみなさい

という文字が表示されました。
様々な意味で毎回緊迫した内容でしたので、この文字を見るとちょっとだけホッとした気持ちになれました。

ウィークエンダーはTV制作側にとっては崖から飛び降りるような挑戦だったに違いありません。(と私は勝手に思う)

でも見ている方からすると「ちょっとやり過ぎ」、「被害者の気持ち考えたか?」、「土曜日の夜10時は多くの子供が起きているぞ」など様々な問題提議があった番組でもありました。

 

全てにやりすぎ感があった、ある意味テレビの歴史に残る迷作でした。

でも放送当時「自分の部屋にプライベートのテレビがある奴が羨ましくてしかたない」と思いましたし、今でも「あの時部屋にテレビがあれば・・・」と思い続けている自分がいるのも事実なのです。

スポンサーリンク


8 Responses to “ウィークエンダー(TV番組)”

  1. あほのはじめっち より:

    さすがにうちらん「隠れて視聴」してた時は、「〇人事件を扱うような『ス#ッフフィルム』張りの『再現フィルム』」ではなくって、
    いわゆる「当時の放送倫理としてもだいぶ限界を超えるかな?ってくらいの『ポ※ノ映画(ブルーフィ㊙ム)』張りの『再現フィルム』」だったと思います。
    覚えているのは、連続強☆魔の話と、スケバンリンチで「ビール瓶」や「砂詰め?」が使われた(使い方はご想像にお任せします)件でしょうか。
    まぁ、子どもとしてはそういうのは(あまりよく)わかんなくても、「おっぱ△」は大好きですから、月曜日の学校では(男子の間だけではなく女子も)ひそひそと(してるつもりで)噂話してました(大人にはばれてたと思います、でなければPTAで『子供に見せたくない番組ranking』不動になるわけないですから…)。
    大人は「再現フィルム」の内容なんてすぐ忘れてしまいますが、子どもは覚えているもんで、卒業アルバム文集の企画ページに「ビール瓶を見て思い出すこと」って、企画を載せた奴がいて、自分らは「バレるから」と反対(文集委員だったんで)したんですが…。
    いい思い出です、あはは…。
    ・・・いやぁいつかは「懐かしいテレビ番組」カテゴリーで出すとは思ってましたはじめっち検閲はおまかせしま~す!

  2. あほのゆたか より:

    「ウィークエンダー」(日テレ)も、「独占!おとこの時間」(テレ東)も、「独占!おんなの60分」(テレ朝)も、それぞれ「加藤芳郎」「恩地日出夫・山本純也」「水ノ江滝子」がシメてたから、電話がガンガンなっても続いていったのかもしれないっす。
    加藤芳郎さんはむしろ、「連想ゲーム」の色が濃いっすね。うちらは目撃!?してないから、都市伝説だと思ってたんすが、
    「連想ゲーム」の中で、中田喜子さんが「でんとう(でんどう)」っていったら、当時の現天ちゃん御用達?のアイドル歌手が「こけし」って答えたってのが学校で大評判になって…。
    今考えると、中田さんが「伝統」と言ったのか、「歯ブラシ」と言わせようとして、「電動」ってヒント出したのか、わからねぇのっすが、
    加藤喜朗→連想ゲーム→「電動こ〇し発言」ってなっちゃうんすよね。
    近年になって実態が明らかになって、そう答えたのはアイドルさんでなくって別の人で、
    アイドルの人はコンサート巡業の手荷物の中に例?の「マッサージ器」が入ってたってだけみたいなんすが…。
    ・・・熟考したらばコンサート重労働で疲れるんだから当たり前だと思うんすが…ゆたか検閲モチロンお任せするっす

  3. 2あほ より:

    あたいはむずかしいことはよくわかんないけんども、「大山のぶ代」さんや「泉ピン子」さんが出てたのは思い出したのだ。
    あと、男の人は忘れちゃったけど、「あき竹城」さんや「渡辺えり」さんも出てたような気がしたのだ。錚々たるメンバーなのだ。「あき竹城」レポートは、あの山形弁?もあって、すんげぇ笑えたような気がするのだ。なして覚えてっかというと、そのころには極悪番組の冠も取れて、母親が縫物しながら見てゲラゲラ笑ってるのを見て、一緒に見た…って記憶があるからなのだ。
    ・・・記憶違いだったらゴメン!なのだぁつるみん

    ウチは日テレあまし視ないんだけどぉ、「国際派弁護士」って人が出てた…ってば、2じじぃとおばさんから聞いたですぅ…。
    ・・・ちなみに「元腐痴事」じゃないですぅ…みならいかのん

    • kaikoshumi より:

      【あほ の皆様へ】
      こんにちは。コメントありがとうございます。今回は一括にまとめてお返事させて頂きます。
      別に皆様への「撒き餌」としてウィークエンダーを取り上げたわけではなくて、TVで「ウイークエンドが・・・」とか話していたので、「そういえばウィークエンダーってあったよな」と思って記事を書きました。

      でも結局は【入れ食い状態の撒き餌】になりましたね(笑)

      皆様もよく覚えていらっしゃること。つまりそれだけ「よく見てた」ということですね。

      あの頃は様々な局からコンセプト?が同じような番組が溢れていました。
      「独占!おとこの時間」にしても「11PM」にしても、大分後ですが「ギルガメッシュナイト」、短期間で終わりましたが局内からも強い批判があったと言われる「3分勝負15ラウンド」とかの低俗番組オンパレードでした。

      でも所謂ピンク系という点ではウィークエンダーが頂点、剣が峰だったかと。
      私は当時は盛りの付いた中坊でしたが、今思うとピンク系よりも〇人事件を扱った再現フィルムの方が何十倍も問題だったのではと思います。

      これらの番組が今のワイドショーに与えた影響は多かれ少なかれあるはずです。
      進行などは参考にしているのではと。

      それにしても繰り返しになりますが、「あの時自分の部屋にプライベートのテレビが無かった事を本当に悔やむ。」、というのが今でも変わらぬ気持ちであります。

  4. キュア梅盛 より:

    小学生の頃、友人の殆どが見ていましたね。で、流行ったのが、写真の目に黒マジックで横に棒線を引いて「チャッチャラッチャチャッチャ〜!新聞によりますと・・・」とウイークエンダーごっこをやることでした。歴史の教科書に出てきた野口英世が加藤芳郎さんそっくりだったのでみんな「ウイークエンダーのおっさん」と言い、担任がマジギレするということもありました・・・

    • kaikoshumi より:

      キュア梅盛様
      コメントありがとうございます。
      小学生でみんな見ていた・・・、そうだったでしょうね。土曜日の22時ならば見ますね。
      「・・・ごっこ」これは知らないけど友人との会話の中で「再現フィルム」という単語は日常会話だったと思います。
      親のみならず学校の先生だって相当困っていたはず。当該番組よりも前にも低俗番組は多かったですが、ピンク系とかで徹底的にやったのはこれからかなと。
      それ以来暫くの期間「テレビにタブーはない、何やっても良いんだ!」という風潮が出来てしまったと思います。
      お台場にあるTV局も一時期は「タブーなんてあるのかよ!」と言っていました。結局は時代の流れでその考えは潰されてしまいましたね。
      自由は良いけどほどほどに、という事だと思います。

  5. Log より:

    まぁ、テレビという物は興行、サーカスや見世物小屋と同じ。いかに非日常な見せ方で、視聴者をビックリさせるか、ですよ。いつの世にも、スケベな人間と純情な人間とヒマ人はいますから。ドギツい路線が飽きられたら、次は24時間ボランティア見世物で行くか!!にノセられて、純真な人が武道館まで貯金箱を持って行く…。裏ではプロデューサーとディレクターが、「なっ、お涙頂戴物はウケるんだよ!!」とニンマリ。そんな世界です。

    • kaikoshumi より:

      Log様
      コメントありがとうございます。
      仰るとおりですね。
      しかも何十年も前から今に至るまで変わっていませんし、それどころか今の番組は一年中スペシャルと称して単に長時間放送するだけ、など質はどんどん低下していきます。

      だから若者はテレビを見ずにネットに行ってしまうんですね。
      そろそろテレビ局も気がついたほうが良いですね。

あほのゆたか へ返信する

サブコンテンツ

管理人について

管理人

こんにちは。私の名前は「 ノンダクレー」と申します妻子持ちの普通のクソ親父であります。
東京で生まれ育ち、横浜市に長いこと住み、現在は北海道札幌市におります。
色々と思う事が多くなる年齢、このサイトで「懐かしい街と物」をお楽しみ頂ければ幸いでございます。

スポンサーリンク





写真素材無料【写真AC】


無料動画素材なら【動画AC】

このページの先頭へ