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地下鉄なのに車内が真っ暗になる銀座線

銀座線は地下鉄なのに車内が真っ暗になる!!

注意!: 本記事はかなり「鉄オタ」系となります。また一部「電気工学オタ」も入っております。興味・知識が無くてもそのままお読み頂ければ幸いでございます。

いつかは理解できる日がきっと来ます。信じていれば・・・(本当か?)


東京メトロ・地下鉄銀座線は東洋最古の地下鉄であり、渋谷から東京中心部を銀座を経由して巡るように走り浅草まで通じています。

渋谷駅は山手線よりも高い場所のビルの3階から発着しますが、渋谷駅及び界隈の大規模再開発により駅の場所移動(バスターミナル上)が順次行われることになっています。

 

以下の写真は2013年撮影の渋谷駅です。(クリックで拡大します)

↓トンネルの奥が渋谷駅。再開発時は手前の高架橋の部分にホームが移動となる。

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↓レトロで狭い改札付近

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↓幅が狭い現行ホーム。ラッシュ時は大変な状態!

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銀座線は今でもホームの柱にリベットだらけの非常に古い構造物を見ることも出来、歴史を知らない方でもかなり古くから存在している地下鉄であると感じると思います。

 

この銀座線は1984年頃まで走っていた車両では駅手前のポイント(線路が分岐する部分)通過時には車内照明が消えて窓横の薄暗い非常灯のみになるという不思議な体験が出来ました。

薄暗いオレンジ色の非常灯のみ点くので、正確には真っ暗にはなりませんが初めて乗った人はかなり驚いたと思います。

私は幼少のころから銀座線に乗っていましたので驚きはしませんでしたが、非常灯だけになる僅か数秒が楽しみでなりませんでした。

 


参考: 今東京には私鉄やJRの地下走行区間を除いて純然たる「地下鉄」と呼ばれる路線は「東京都交通局=都営地下鉄」と「東京メトロ」の2つの経営母体がありますが、東京メトロの発足は2004年とごく最近なんです。

正式社名は「東京地下鉄株式会社」という民間企業ですが、最新の情報によると主要株主は「財務大臣 53.42%」、「東京都 46.58%」となっていますので本来の純然たる民間とは言えない状況です。(2016年現在)

2004年以前は「帝都高速度交通営団」と言っていました。通称は「営団地下鉄」ですが、この通称はお聞きになった人は多いことでしょう。

「帝都高速度交通営団」は日本国政府、国鉄(現 JRの前身)、東京都、都内の大手私鉄などが出資して出来た特殊法人でした。

この「帝都」は大日本帝国の首都=東京を表していたのです。2004年はほんの少し前ですが、その時まで「帝都」なんて言葉が付いていた法人があったなんて何かすごいことですね。

銀座線の車内が暗くなる理由

一般的に電車は車体より高い位置に「架線」を張ってそこに電気を流し車体屋根上に設置されたパンタグラフを架線に接触させて電気を取り入れています。

でも銀座線はパンタグラフも架線もありません。

電気は線路わきの「第三軌条」という電気を流しているレールから採るのです。電気を車体に導くための集電子とかシューという部品が台車についていて、これを第三軌条に接触させて電気を車体に採り入れています。

銀座線以外でもこのような方法を使っている路線はありますが、これを採用した理由は地下鉄のトンネル断面積を小さくできるからなのです。

当然建設費が安くできますし工事も簡単です。

 

しかしデメリットの方が全然多いんです。

線路わきに高圧電流を流すので保守点検が危険。

ポイントの部分は切れ込みを入れる必要があるのでその部分では集電出来ず一時的に車両は停電となる

架線に比べて流す電気の電圧を下げる必要がある。これは感電事故対策なので法律で規制される。日本の場合は過去は600V 、現在でも750Vの電圧しか使えない。(架線だと直流は1500Vが普通) その分電車の出力が小さくなるので高速運転区間の車両には使えない。

踏切のある区間では危険で使えない。ただし海外では採用例がいくつもある。

だから日本では近年建設された路線はごく一部を除いて第三軌条方式を使いません。

 

銀座線が走行中に車内が停電で暗くなったのは上記の2番目の理由からです。(バッテリーで非常灯は点くが)

以下の写真は2013年撮影の渋谷駅です。赤丸の部分をご覧になると第三軌条が途切れていることがお分かりになると思います。

(クリックで拡大します)

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ポイントと第三軌条の部分を説明用に書くと以下となります。

(クリックで拡大します)

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この場合↑直線側は途切れる区間が少ないのですが分岐側(図で言うと上側)だと途切れる区間がさらに長くなります。

しかし最近の車両は途切れる区間を通過しても全く停電しません。

理由は途切れる区間があってもすべての車両(1編成)が完全に第三軌条から外れるわけでは無いので、どれか1両又は2両以上は必ず第三軌条から受電しています。

ですからすべての車両を1本の電線でつないでおけば(引き通し線という)第三軌条が途切れる区間であっても必ず全車両に電気が供給されるので車内が停電することは無くなるのです。

今の車両(正確に言うと1983年製造開始の01系から)はこの引き通し線が装備されているので車内停電は起こりません。

 

なおこれは未確認事項ですが、第三軌条が途切れる区間では力行禁止(りっこうきんし=モータに通電して加速してはいけないこと)という運用をしている可能性が高いのでは?と思います。

理由は引き通し線はあくまでも車内照明の停電防止なので、全車両にモータを駆動する大電流を流せるほどの余裕を持たせているとは考えにくいからです。

途切れる区間はポイントなどごく一部で低速運転しかしませんので、わざわざ大電流対応の太い引き通し線を設置しているとは思えないからです。

但し途切れる区間で停車してしまったなどの理由で再加速(再起動)しなければいけないこともあるでしょうから、力行(りっこう=加速のこと)には一定の制限を設けるとかの運用もあると思います。いずれも推測ですが。

 

【以下、電気工学オタ話しとなりますのでよろしければ・・・】

なお同じ第三軌条を使用している丸の内線は開業当時から車内停電は起こりません。

理由は照明用電源に電動発電機(MG)を装備しているからです。

MGはモータと発電機を同軸上に単純に繋いだもので、電圧の昇降圧、交直変換、交流の周波数変換など何でも自由にできる優れものです。

(ただし使うモータや発電機の種類によって制限はあるが)

 

以下は車両床下に装備された電動発電機の例(名古屋市交通局3000型)

(クリックで拡大します)

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引用元: Wikipedia

 

昔は今のようなパワーエレクトロニクスが発達していなかったので、このような機械的な単純な仕組みで電力の変換をしていました。

大電力装置ではつい最近までの主流でもあり、現在でもまだ使われているものもあります。

半導体の電力変換装置だと入力側の電力が途切れた途端に(実際はある程度の時定数があるが)出力もゼロになってしまいますが、MGは回転機なので入力電力が途切れても(=第三軌条が途切れる区間に入っても)惰性でしばらくは回り続けるので、その間に次の第三軌条区間に入って通電されれば車内の照明の停電は起こらないというわけです。

 

産業用設備では古いもの=性能が低くて良くないもの、という図式が成り立たないのです。

鉄道の直流電化区間は変圧器で600~1500Vの単相交流に降圧された交流を整流して直流を架線や第三軌条に流すわけですが、大昔は大電力用ダイオードが無かったので回転変流器や電動発電機、或いは水銀整流器を使って直流に変換していたのです。

今ではこんなものを使っている変電所はありませんが、でもダイオードに変えたせいで直流電化区間では付近に加速している電車がいないと回生ブレーキをかけることが出来なくなってしまいました。

回転機や水銀整流器では直流電化区間で付近に加速している電車がいなくても交流系統に回生電力を返して回生ブレーキをかけることが出来たのです。

技術の進歩で逆に利便性や性能を犠牲にする部分が出て来た一例です。

 

参考:東海道新幹線沿線に設置されている周波数変換装置(50Hz→60Hz)はもともと巨大な電動発電機で周波数変換を行っていましたが、近年は設備更新時期に合わせて半導体式の静止型周波数変換装置に入れ替えています。

しかしJR東海によるとすべての設備を静止型にはせずに一部従来型の回転型周波数変換装置を残すそうです。

理由は回転系は慣性があって、その慣性の分の電力を蓄えて短時間で大電力を送り出すという半導体では出来ない芸当が出来るからだそうです。

 

以下は東海道新幹線・横浜市綱島の回転型周波数変換装置(50Hz →60Hzに変換する電動発電機)

(クリックで拡大します)

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引用元: マイナビニュース

http://news.mynavi.jp/news/2014/12/02/016/

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こんにちは。私の名前は「 ノンダクレー」と申します。
もう50代にもなる妻子持ちのクソ親父であります。
東京で生まれ育ち、横浜市に長いこと住み、現在は北海道のある都市におります。
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